episode 48 霰の前の静けさ ページ50
拳を口元に持っていき、うーんと唸っているAに安室は顔を近付ける。
「2人の内どちらかがあなたと同じく超能力持ちで、何か危険なことを企んでいる…でしたよね。そして企みを実行した場合、僕でも手に負えない。と。」
もっと詳細を教えてくれないか、と小声で尋ねてくる安室。
彼はもう完全に協力者なので全部まるっと話しても良いんだが、どこまで非現実を受け入れられるだろうか。
『透、幽霊とか魔法を信じるタイプか。』
「は?何を唐突に。……あまり考えた事ありませんけど、超能力者と言われている人物が目の前にいますからね。あなたが冗談で言ってた"魔法使い"も、存外あり得なく無いと思ってますよ。」
『…そうか。なら今日から透も"こっち側"だな。』
一瞬目を見開いた安室だが、Aの言葉をそこまで間に受けてはいないように見えた。うーんこれは伝わっていない。
『さて問題はこれからだ。ここまで目立ったアクションが無いとすると、人目が減る夜中を狙って何かする可能性がある。』
「消灯後も見張る必要がありますね。」
ちなみに日向と隣室である沖矢にも、安室と同等の内容を伝えた上で、"夜中の間様子を見てくれ"とスマホで連絡を取り合っている。…安室には伝えていないが。
一応ラウンジの端にいた沖矢に目線を向けると、彼も気づいたようで、眼鏡越しにゆっくりとした瞬きで"把握"と返してきた。
「……。」
隣の安室から疑惑の視線が刺さってきた気がしたので、急いで目を逸らした。
「うわっ凄ぇなこいつぁ!!」
旅館3F、半個室の和風ダイニング風レストラン。
備前焼の器に盛り付けられた料理達に、テンションが爆上がりする小五郎。
金目鯛の煮付け。太刀魚の竜田揚げ。マグロの3種盛り。カキの酒蒸し。そして島魚の刺身の数々。
各テーブルで感嘆の声が上がっている。
「この島周辺は、魚達にとって住みやすい環境なんです。なので、新鮮で多種多様の魚介が楽しめるんですよ。」
同じ酒好きとしてすっかり意気投合した秋原と小五郎は仲良く同じテーブルに座っている。
「そういえば、船から降りたとき海の魚が肉眼で見えました!水が透き通っているんですね。」
「そうだよ、光彦くん。ここらへんの海水は透明度が高いんだ。天然の水槽と言われているほどにね。」
楽しそうに島について話す秋原。彼の進行を合図に、美しい島で豪華な宴が始まる。
「それでは、二泊三日満喫しましょう!」
「「「乾杯!!」」」
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休暇を求める者(プロフ) - 鹿野ユズナさん» ありがとうございます。すみません結構変えました…後半も新規ストーリーぶっ込んでるので更に混乱させるかもしれません。ごゆっくり… (2021年8月25日 14時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - だいぶ内容が変化していて「あれ?!こんな小説だったっけ?!」とパニクりました。完全に自分の記憶飛んでるだけでした。頭の片隅にちゃんと居ました。リメイクお疲れ様です。1から読み直してきます。 (2021年8月25日 2時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - リリーさん» わーありがとうございますこんな夜中まで更新に気づいて下さって…!!後半は結構新規ストーリーになっているので、ぜひお付き合いいただけましたら幸いです。 (2021年8月21日 0時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 休暇さん、フルリメイクお疲れ様です!五エ門との電話や安室さんとのやり取り等、前とすごく変わってて、これ絶対すごく大変だ…と思いながら読ませて頂いてます。貴方様の作品すごく大好きなので、兎乃峰さん共々無理はしないで下さいね、続編も楽しみにしてます! (2021年8月21日 0時) (レス) id: d0e6075152 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 冒頭のコメント失礼します。今度は、名探偵コナンの世界ですか。へ!?赤い彗星!?!?なんで、シャア アズナブルが?? え?冗談!?!? (2019年12月29日 10時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:休暇を求める者 | 作成日時:2016年5月12日 18時