異世界放浪者の推理力は皆無。[名探偵コナン]

episode 34　wether by chance or fate ページ36

『ところで…なぜ小学一年である筈の灰原さんが組織について詳しいのかな。』

「どうせ知った上で聞いてるのでしょう。」

『お見通しでしたか。』

腕を組み、深く溜め息をつく貫禄はやはり小学一年のものでは無い。

「そうよ、私は元組織のメンバー。コードネームは"シェリー"、逃亡してきたのよ。」

『そして開発した薬で幼児化と。』

「そこまで彼等から聞いてるのね。」

『んー、そうだね。』

そういう事にしておこう。

「というか、あなたの能力のこと初めて知ったのだけど。江戸川くんは知ってるの？」

『いや話してない。なので、コナン君。そんな隠れて時計構えなくても何もしないから大丈夫だよ。』

「......気付いてたか。」

本棚の後ろから、参りましたと手を上げながら出てくる。

「念力…って言ってたね。何も触れずに、物を捻じ曲げたり破裂させたり出来るってこと？」


『んー、まあ…。というか出来る事はそれだけじゃないんだけど…』


「阿笠博士お邪魔しまーす！！ガキンチョ共居るかー？」


園子、突然の来訪。
話を一旦やめ、園子と少年探偵団の居る部屋へ行く。

「えっ、Aも居るじゃん！久しぶりーっ！」

Aの姿を見るなり、抱き付きという名のタックルをかますお嬢様。

『おふっ...、久しぶり。』

「園子さん、突然今日はどうしたんですか。」

「わあ、それ何かのチケット？」

歩美が指差す先の園子の手には、ロイヤルブルーの招待状。

「そうそう。次郎吉おじさまが新しく島を買い取って、旅館を建てたの！その関係者限定プレ宿泊券よ！今週の三連休空いてて行きたい人挙ーーー手！！」


「「「はーーーいっ！」」」

さすが鈴木財閥、知り合いの子供達にも招待を出すなんて大盤振る舞いだ。

「ワシもはーいっ！」

「ギックリ腰でしょ、何言ってんのよ博士。」

「りょ、旅行までには…」

「その調子だと旅先で再発してトンボ帰りよ」

「ありゃ…。あ、Aの分もあるわよ。」

『わ、ありがとう。因みにその旅館ってどこに…？』

「フッ...南西に浮かぶ神秘の島、雨覆島よ。」

『！』

「雨覆島って、別名龍虎島とも呼ばれる島ですよね！」

知識が豊富な光彦が素早く反応する。

「龍に虎！？かっけぇーっ！でも、何で"雨覆島"と"龍虎島"で２つ名前があるんだ？」

「それはですね元太くん、島に咲くとある花が関係しているのですよ。」

『博識だねえ、光彦くん。』

「えっへん。僕こういうの大好きなんで！」

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