episode 11 時と海を越えた縁 ページ13
『懐かしい?』
「父が母によく生姜焼きをリクエストしていたんだ。幼い頃で、もう記憶も曖昧だが。」
『なんと。』
「俺も恋人が居たら、こんな感じなのだろうかと思ってね。」
『彼女さんの手料理はきっともっと美味しいですよ。』
「……そうか、そいつは気になるな。A、俺の女になるか。」
カランと、箸がフローリングを叩く音が部屋中に響いた。
『…!?…!!?』
顔を赤くするでもなく怒るでもなく、例えるならウーパールーパーが近いかなといったAの表情にクククと喉を鳴らす赤井。
『す、凄いな…冗談がサマになる人って凄いな…』
「冗談に聞こえたのか?」
『寧ろ冗談じゃ無かったら何なんですか』
「それは勿論一つしかないだろう」
圧倒的上手。
まあ、彼のような人にもなれば。たかが付き合うことに何のハードルも無いのだろうが。
『は、はは...三十になっても相手が居なかったら考えます。』
「フ、まるで結婚の約束みたいだな。お嬢さん、もし良ければ君の歳を聞いても?」
『18です。』
「.................。」
自分より10歳以上年下なのが衝撃だったのか、今度は彼の目が点になった。
無理もない、コナンのように幼児化とまではいかないが、Aの中身と身体年齢は一致していないのだから。
「そ、そうか…。それは中々に厳しいな……。」
『そりゃそうでしょう』
「2年…待てるか…?いや、2年…」
『FBI殿』
冗談なのか。私を笑わせようとしているのかこの人は。
しかし正直彼の容姿なら、
『相手を取っ替え引っ替えしていても驚きませんけどね…』
「おい、君こそ俺を何だと思ってるんだ…。仕事ならまだしも、俺は一途な方だと自分で思ってるんだが。」
『……。』
「想像出来ない、という顔だな。ならば試してみるか?」
『な、何を…?』
「さあ、何だと思う?君の口から聞かせて貰いたい。」
『ご馳走様でしたー。』
「はは、つれないな。」
夕食を食べ、赤井は愛車と共に去っていた。
なんと彼は皿を洗って帰っていったのだ。律儀な。
風呂に入る準備を進めていた時、テーブルの上のスマホが鳴る。
『…えっ』
Pi
《ちよっとォ、寂しいじゃねぇの!!!》
『只今、電話に出ることが出来ません。』
❬出てるじゃねえかよ本人!ったく、こっちの世界に来てるなら一言連絡くれたって良いじゃねぇか。❭
『いや、その前に何で私がこの世界にいるって知っているんだ。
ルパン。』
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休暇を求める者(プロフ) - 鹿野ユズナさん» ありがとうございます。すみません結構変えました…後半も新規ストーリーぶっ込んでるので更に混乱させるかもしれません。ごゆっくり… (2021年8月25日 14時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - だいぶ内容が変化していて「あれ?!こんな小説だったっけ?!」とパニクりました。完全に自分の記憶飛んでるだけでした。頭の片隅にちゃんと居ました。リメイクお疲れ様です。1から読み直してきます。 (2021年8月25日 2時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
休暇を求める者(プロフ) - リリーさん» わーありがとうございますこんな夜中まで更新に気づいて下さって…!!後半は結構新規ストーリーになっているので、ぜひお付き合いいただけましたら幸いです。 (2021年8月21日 0時) (レス) id: 4630244e4e (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 休暇さん、フルリメイクお疲れ様です!五エ門との電話や安室さんとのやり取り等、前とすごく変わってて、これ絶対すごく大変だ…と思いながら読ませて頂いてます。貴方様の作品すごく大好きなので、兎乃峰さん共々無理はしないで下さいね、続編も楽しみにしてます! (2021年8月21日 0時) (レス) id: d0e6075152 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 冒頭のコメント失礼します。今度は、名探偵コナンの世界ですか。へ!?赤い彗星!?!?なんで、シャア アズナブルが?? え?冗談!?!? (2019年12月29日 10時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:休暇を求める者 | 作成日時:2016年5月12日 18時