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樹side
ママ達が死んで 、ここまで自分が堕ちるとは思ってなかった 。
自分でも心が強い人間じゃないことはよく分かってたけどみんなに迷惑をかけるほどまで堕ちたくなかったのに 、ってどうしようもなく後悔してしまう。
もうこれ以上誰かを失うのが怖くて 、何もしない俺のためにまで働く兄ちゃんも北斗も 、ジェシーもまたいつか消えてしまうんじゃないかって 、
どうしようもない不明確な不安が渦巻いては調子は一生戻らなくて結局迷惑かけての無限ループ 。
そんな時 、兄ちゃんの高校の同級生 、よく家に来てた大我くんから電話がかかった。
23:09 、 こんな時間になんて電話は中々掛かってこないから不安だった 。けど今日は兄ちゃん久しぶりに3人に会うって話をジェシーから聞いたから酔った勢いかなとかもふわふわ思いながら 。
そんな時大我くんから発せられた言葉に俺の漠然とした不安は刈り取られた。
「 ジェシーから電話が来て 、こーちが風呂場で手首切って運ばれたって 。ジェシーと北斗と一緒に俺今いるから樹の病院だし 、来れるならおいで 」
って 、冷淡な大我くんの声が寧ろ今は安心した 。
兄ちゃん 、が 。って 、また失うかもしれない大切な人を 。
小さな背中を慎太郎くんと大我くんにさすられながら泣く北斗とジェシーを見つけた 。
大我「 あ、 樹 ？」
「 うん 、」
ジェシー「 じゅり 、ぃ .. っあ 、っぐ 、」
嗚咽が止まらないジェシーと 、静かにポロポロ涙が落ちてる北斗を見てると 、
こんなとき 、兄ちゃんだったらなんて声かけるんだろうなって変な想像しちゃって 、でもそんな答えは出なくてやっぱり俺は兄ちゃんとは違うから 。
早く兄ちゃん目を覚ましてよ 、って願うばっかり 。
情けない 、 ほんとに 。
なあ兄ちゃん 、 兄ちゃんは俺らの兄ちゃんで幸せ？
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作者名：夕日 | 作成日時：2022年3月9日 21時
