. ページ35
北斗side
慎太郎がずっと「 いやだ 」って駄々をこねる 。
挙句の果てに先生まで拒否するんだ 。
初めてだった 、こんなこと 。
だからびっくりした 。
苛立ちよりも心配になった 。
慎太郎はきっと朝から体調が悪かったんだろう 。
俺に心配かけちゃダメだって隠してたんだろなあ .. 、
そう思ったら慎太郎を我慢させすぎたことに兄貴として惨めになった 。
弟を 、こんなに可愛い弟に無理させちゃったって 。
だからさ今は思う存分甘やかしたい 。
「 慎太郎 、 おいで 」
慎太郎「 ぐすっ 、はぁっ .. っ 、にいちゃ 、」
優しく俺より少し小さな身体を優しく抱き締める 。
病気のせいで既に華奢な身体なのに 、もっとちっちゃく見えるのも俺のせい 。
「 うん 、慎太郎 、ごめんね 」
慎太郎は首を振りながら泣きながら 、いっぱいいっぱいになって俺に伝えてくれた 。
慎太郎「 っ 、にいちゃ 、しんたろうね 、っ .. さびしかったのっ 、にいちゃんにもっとあいたいの 、まいにちいっしょに 、いたいの .. ぐず 、」
慎太郎からの言葉に今までの俺を恨みたくなった 。
必死だった 、慎太郎の治療費を払う為に働くことが慎太郎の為だとただ自分だけそう考えてた 。
何が慎太郎のためだよ 、 馬鹿じゃねえか俺 。
「 ごめんね慎太郎 、俺ホント 、ダメダメだなあ .. 」
慎太郎「 っ 、ごめんなさいっ .. 兄ちゃんはなんにも悪くないのにっ 、おれがわがままいって .. 」
「 違うよ慎太郎 、 慎太郎は何にも悪くないの いっぱいいっぱい我慢させちゃってごめんね 」
慎太郎ごめんね 、そんな言葉いくら言っても足りなかった 。
慎太郎「 兄ちゃん 、兄ちゃんは悪くないから 、だからね 、一個だけ聞いて欲しいことがあるのっ .. ワガママかもしれないけど 、」
慎太郎からのワガママなんていくらでも受け止める 。
「 .. 教えて？」
慎太郎「 ぐすっ 、ひっく .. 、 もうちょっとだけ俺のところに来て欲しいの 、」
「 何言ってんの 、」
慎太郎「 ワガママ 、だったよね .. 忘れてっ 、」
慎太郎ってホントに俺に似て馬鹿だ 。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 411人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夕日 | 作成日時：2022年3月9日 21時
