花曇り (ページ26)

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樹side

朝はいつも体調が良くない。

だけど今日は余計にだった。

慎太郎「おっはよ〜、樹早いね？北斗は？」

友達の慎太郎。病気のことを理解してくれている数少ない友達。

自分で言うのもなんだけど友達は多いんだ俺。まあでも病気のことを話す気はあまりないからね。

樹「今日はちょっとね？」

と誤魔化して濁す。

そういえば今日小テストがあったっけな、最悪。

体育もあったよなあ、できるかな。

そんな不安がぐるぐると頭に回って、イライラしてしまう。

これも病気の症状、だなんて言う。

「っはぁ、」

頭も痛い、耳の奥でキーンと鳴っている。

それでもって、周りの目が怖い。

俺は今普通に笑えているのか、話せているのかと。

慎太郎「あ、北斗来た！」

北斗「おはよ、慎太郎 .. あ、ジェシー！」

北斗が来た、無駄な心配かけてしまう。

ジェシー、コイツも数少ない病気を理解してくれる友達。

とはいえ、学校でパニックとかそういうのは起こしたことないんだけど。

今日は、危ないかな、。

ジェシー「おはよ！！」

痛いよジェシー、頭に響く。

北斗「今日小テストだよね」

慎太郎「俺勉強してなーい .. 」

みんながそんな話をしている中、俺は必死に耐えていて。

耳鳴りも頭痛も、それなのに酷くなる。

教室の騒がしさにムカついて、イライラする。

死ぬほどキツくて、笑えてくる。

「っ、むり、」

聞こえたのか聞こえてないのか分からない、そんな声で呟いて、とりあえず立ち上がってみた。

トイレに行く振り。

目の前が真っ暗になったけど一瞬で治る。

今倒れたら、北斗も慎太郎も、ジェシーもいて、助けてくれたのになあ ..

そんなこともうっすら思ってしまった。

「トイレ行ってくるね、っ .. 」

そう言えば、「はーい」と優しい声が聞こえた。

「っ、はぁっ .. 」

冷ややかな目で見られてないかな、大丈夫かな。

また不安が増すだけで。

「っ、ふっ、」

トイレの個室に逃げ込んで、必死に呼吸を整えて。

「っは、ふぅっ、」

頭痛いよ、辛いよ助けて。

その言葉がどうしても口に出せなかった。

弱虫ってこういうことを言うんだろうね。

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