花曇り (ページ12)

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ジェシーside

流石にびっくりした。

慎太郎からの返事が返ってこないと思ったら

蹲って過呼吸になってたんだもん ..

慎太郎が何を抱えているのかは分からないけど、

「助けなきゃ」

って思ってね。

俺が声をかけても聞こえてるのかどうかは分からなかった。

中々呼吸も整わないし ..

やっと電気が戻った時俺の顔を見たら慎太郎ぶっ倒れちゃって。

びっくりしたけど、とりあえず楽屋へ戻る。

スタッフさんに丁度出会って

撮影は慎太郎の体調次第だと伝えたものの ..

俺が抱えてる慎太郎を見て、

「延期で大丈夫ですよ！！」

なんて優しく言ってくださった。

この世界は優しいよ、慎太郎。

熱がある訳でもないし、多分安心しきって意識飛んじゃっただけだと思うけど。

早く目覚ましなさいよ慎太郎。

「しんたろーー、」

なんて言いながら慎太郎の綺麗なほっぺをつんつんとつつく。

慎太郎「んっ .. 、」

「あ、起きた！！」

慎太郎「じぇし、」

ゆっくり慎太郎が起き上がる。

「慎太郎、もう大丈夫？」

慎太郎「ピンッピンだよ！！」

と言った途端、慎太郎は少し声色を変えて

慎太郎「ジェシー .. 」

「言いたくないなら言わなくてもいいんだよ」

慎太郎「っ .. ダメだよ、迷惑かけたから」

「迷惑なんて思ってないよ、慎太郎が思ってる以上に世界は優しいんだから」

慎太郎「っはは、何それジェシーカッコつけすぎだよ」

「うっわー！！ひどーい！！」

そう言いながらも慎太郎はポツポツと話し始めた。

慎太郎「俺、暗所 .. 恐怖症、なんだよね」

続けて「暗いところは怖いし寝る時だって明るくして寝てる」なんて言う。

「そうなんだね、慎太郎頑張ったね」

そう言ったら、

慎太郎「じゃあさ、これは二人だけの秘密ね」

メンバーに話す気はないらしい。

俺的には話して欲しいけど、まあ慎太郎が言うなら仕方ない。

それに、俺が知ってたら対応は出来る、だろう。

「ふふ、仕方ないなあ慎太郎」

慎太郎「ありがとう」

可愛い末っ子との秘密、悪くない響きだね。

＿＿ ..

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