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｢これより、公安本部会議始める。今期も引き続き例の件を追って捜査するつもりだ。金澤。｣
｢はい。｣
公安本部会議。
警視庁の管轄外の会議で、その存在の公表は絶対に許されない。
秘密裏の会議である。
三嶋はその会議の中で唯一の女。
ただ、その中でも負けない覇気があった。
｢手元の資料を見てください。まず───────｣
例の件とは。
2015年から公安部を悩ませている財閥団の不正公取引問題について。
様々な政治家や権力者が関係者に挙がっていて迂闊に捜査できないものだ。
主な財閥は3つ。
松原財閥、九条財閥、篠宮財閥。
この3つの財閥が抱える反社会勢力団は全て日本の重鎮である。
なかなか手をつけられない事案が公安部に回ってきているのだ。
｢──────────それから、横浜港近くで海外への薬 物密輸の裏がとれました。しかし芝組がこれに応じず捜査は難航中。更に松原財閥の上層部の者が芝組の組長と密会しているのを都内の防犯カメラで察知。データのバックアップは取り、保存しましたが、店内のカメラをもう一度捜査したところデータは消されていました。そこら中に芝組傘下の店が増えて、数では手に負えません。今後の捜査に関しましては───────────｣
長時間に及んだ会議は終了した。
三嶋は会議室に残り一人、捜査資料を眺める。
｢A。｣
｢へ、｣
一人でいたはずなのに急に声をかけられ、思わず気の抜けた声が出てしまった三嶋。
目の前には長身眼鏡の男が立っていた。
｢……福尾課長。｣
｢課長、なんてやめてよ。今は勤務時間外じゃん。｣
会議室の時計を指さす。
時刻は12時10分をさしていた。
｢全く、公安部は効率の悪い会議しかせんのかね？｣
福尾の後ろからひょこりと現れたのは……
｢ざわくん……。｣
サイバー攻撃センター長の金澤太紀だ。
先程の会議でだいぶ喋らされて、喉がカラカラらしい。
｢久しぶりに3人で食べない？お腹すいてるでしょ。｣
｢うん、空いてる。｣
｢ねえ、僕の行きつけのお店行かない？お昼時でも全然混んでないの。｣
｢行く。｣
｢へぇー、ざわくんの行きつけのお店かー。｣
3人は会議室を出て、ランチのお店に向かって行った。
｢そういえばりょうくんはなんで眼鏡してるの？｣
三嶋がそう聞くと福尾は恥ずかしげに眼鏡をかけ直す。
｢コンタクト、落としちゃったんだよね。｣
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ｭｩﾅ(プロフ) - てつやの漢字って徹也←こっちじゃないですか？ (2021年1月7日 9時) (
レス) id: 27390dba10 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - とっても面白いです！！ワクワクしてこれから楽しみです〜！！ (2020年8月9日 20時) (レス) id: ad4aaf0953 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たたしぃ | 作成日時：2020年8月2日 17時
