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｢あれ？皆さん、そんなに慌ててどうし……｣
實吉が後ろに鈴木を連れて戻ってきた。
目の前の血だらけの拳銃を前に、實吉は口をつぐんでしまう。
鈴木は一体、何者なのだろうか。
｢鈴木巡査部長。これは何？｣
三嶋が小柳津の持つ拳銃を指さす。
鈴木がシャワーを浴びて濡れた頭をポリポリとかいた。
｢……盗ってきたやつ。｣
｢……はぁ？｣
｢だから……｣
鈴木は遠慮なくその辺にあった椅子にどかっと座った。
｢あ、そこ俺の椅子｣
｢しっ！｣
實吉のデスクの椅子に座った鈴木は一息ついたように話し始めた。
｢さっきまで普通に歩いてた。ここに向かって。そしたら前まで担当してた暴力団員が十五人くらい一気に襲いかかってきてさあ、大変だったなぁ。ちょうどいいくらいの棒持ってたからそれでなぎ倒してきたし、一応拳銃も奪ってき｣
｢拳銃を、奪ってきた！？｣
｢……うん。｣
三嶋は驚いたように鈴木を見る。
只者では無い。
暴力団員十五人相手に、この男は太刀打ち出来るというのか。
それとも。
良くも悪くも破天荒なこの男を、警視庁捜査四課は……。
｢須賀。｣
｢はい。｣
｢捜査四課長の増田さんに電話を繋いで。｣
｢……はい。｣
須賀がデスクの電話のボタンを押す。
鈴木は居心地が悪そうに室内をウロウロし始めた。
實吉は警戒しながらも自分の椅子に座る。
若干の湿りに項垂れた。
｢……もしもし、増田課長。三嶋です。｣
『おお、三嶋巡査部長。どうしたんです？』
｢そちらの元捜査員の鈴木の事ですが｣
『あああぁもう、その話はやめてくれ。鈴木の話はやめてくれ。』
｢は……｣
『兎に角破天荒でこっちはいい迷惑なんだ。検挙率は管轄内でナンバーワン、だけれど問題行動が多い。』
｢なぜそんな者をウチに？｣
『……。』
｢増田課長？｣
『……小柳津哲也を、その────なんていうか』
｢小柳津がどうかしましたか。｣
小柳津、の言葉にぴくりと反応する一同。
当の本人はすでに、鈴木と会話を交わしている。
『あの捜査一課の問題児、小柳津哲也を飼い慣らす三嶋巡査部長なら更生してくれると。』
三嶋は今日一番の深い溜息をついた。
『でも！優秀なのには変わりはない、俺も手放すのを最後まで迷った。検挙率を取るか問題の後処理を取るか』
｢問題の後処理を取ってウチに？｣
『……くれぐれもよろしく頼む。』
強制的に切られた電話。
三嶋はまた溜息をついた。
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ｭｩﾅ(プロフ) - てつやの漢字って徹也←こっちじゃないですか？ (2021年1月7日 9時) (
レス) id: 27390dba10 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - とっても面白いです！！ワクワクしてこれから楽しみです〜！！ (2020年8月9日 20時) (レス) id: ad4aaf0953 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たたしぃ | 作成日時：2020年8月2日 17時
