・・・ ページ12
・
｢っていうか……Aちゃんなんかあった？｣
｢……え？｣
｢なにその間。絶対なんかあったやん。｣
勘づくのが早い小柳津。
三嶋は何故そんなに直ぐに勘づかれたのか分からなかった。
思考を巡らせても心当たりがない。
｢仕事ではそういうとこ抜かりないから、プライベートでなんかあ……もしかして……！｣
小柳津は立ち上がり、三嶋に腕をガっと掴む。
ちょうどコーヒーを持ってきた須賀が叫んだ。
｢柿原！Aさんが哲也さんに襲われてる！｣
｢えぇ？｣
須賀が慌てているのもつかの間に、硬直状態の三嶋を引き寄せる小柳津。
｢ちょ、てっちゃ、｣
三嶋が慌て出すが時すでに遅し。
小柳津は三嶋の服に顔をうずめた。
｢…………中華の匂いがするーー！！絶対りょうとざわくんと食べただろ！！ずるい！｣
｢……。｣
三嶋はグッと力を込めて小柳津を突き放す。
そして小柳津の頭頂部をグーで殴った。
｢いって！！｣
｢ほんと、小柳津は紛らわしいんだよ！！｣
｢なんの話し〜、？｣
その時だった。
警察本部からの内線のコールが鳴る。
近くにいた加賀美がボタンを押した。
『警視庁司令塔から公安機動捜査隊特捜班に連絡、本部が東京都千代田区大手町で爆破テロを予告する不審な手紙をキャッチ、至急機動に当たれ、どうぞ。』
特捜班一同、イヤフックを装着する。
三嶋が応答する。
｢こちら公安機動捜査隊特捜班班長、三嶋。了解、詳細を公安部サイバー攻撃センター長に繋いでください。｣
須賀が三嶋にテロの場所を示したタブレット上の地図を見せる。
｢現場の所在確認しました、どうぞ。｣
『了解、金澤センター長にデータを送る。管区機動隊に応援を要請。30分後に到着予定。状況は追って説明する。どうぞ。』
｢了解、2グループに別れて現場に向かいます。｣
三嶋は全体を見回す。
自らも荷物を確認しながら指示を出す。
｢私と鈴木、加賀美と實吉をA班とする。小柳津、柿原、須賀はB班。｣
｢｢｢｢｢はい。｣｣｣｣｣
よし、と扉に手をかける三嶋。
後ろから着いてくる小柳津が不満げに車のキーをとる。
｢Aちゃんと初めてバラバラになった。いいなぁ俊光。｣
｢うだうだ言ってないで早く行って。｣
｢ほーい。｣
A班は黒のハイエース、運転は加賀美。
B班は白のセダン、運転は柿原。
それぞれ、乗り込む。
｢公安機動捜査隊特捜班、出動。｣
｢｢｢｢｢｢はい！｣｣｣｣｣｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ｭｩﾅ(プロフ) - てつやの漢字って徹也←こっちじゃないですか？ (2021年1月7日 9時) (
レス) id: 27390dba10 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - とっても面白いです！！ワクワクしてこれから楽しみです〜！！ (2020年8月9日 20時) (レス) id: ad4aaf0953 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たたしぃ | 作成日時：2020年8月2日 17時
