Real/雨の日と手紙。 ページ23
A side
オフでの撮影を終えてアパートに帰り、ポストを覗く。
そこに入っていたのは3枚の封筒だかチラシらしいもの。
部屋に帰ってからそれを見る。
一枚目は水道だか何かの広告。マグネットが付属していた。
二枚目は小綺麗な封筒。最近辞めたあの会社から。中身を開けると「是非貴方に戻ってきてほしい」等の旨が書かれている。
戻らないけど。
三枚目は…宛名が書いていない、真っ白な封筒。
ピリ、と軽い音を立てて糊付けされた部分を剥がす。
『うわ、』
小さく声が溢れる。
それに反応した飼い猫が近くに寄ってきた。
グレージュのふわふわした毛に、透き通った青色の目。
名前は「あめ」。目が飴玉みたいだからだ。
『びっくりさした？ごめんね』
「みゃ」
膝の上に飛び乗るあめを撫で、心を決めて封筒の中身を見る。
中に入っていたのは、やはり謎の手紙。
それから、小さな飴玉らしきもの。
手紙を開く。
内容は、
「私は貴方のことをずっと見てるよ
私は貴方のことが大好きなの
あんな奴らに靡かないで
私は貴方が好きなんだよ
あいしてる
あの男達は誰なの
ねえ
まさかあの人たちを好きなんて言わないよね」
と、女の子っぽい丸い字体で書かれている。
気味が悪い。
くしゃりと手紙を丸め、飴玉も捨ててしまった。
「みゃぅ、」
『ん、お風呂入ってくるから待っとってな』
「みゃ」
あめの鳴き声を聞いてからお風呂に入る。
あー、今日の撮影だめだったな、とか考えながら。
しばらくしたらお風呂を出て、スウェットに着替える。
ぴんぽん、とチャイムが鳴った。
結構もう遅い時間だけれど、誰だろう。
外ではざあざあと雨が降り始めている。
ドアスコープを覗けば、ドアの前にいたのは。
『しょっぴ？どしたん』
がちゃりとドアを開ける。
ショッピ「珀逢さん…」
『おん』
ショッピ「雨宿り、さしてください」
『あ、おん、ええよ』
ショッピ「やった…！！」
『濡れてる？お風呂入る？』
ショッピ「いいんすか？」
『え、入らへんの？？』
ショッピ「入らせていただきます」
『よろしい』
若干濡れてハネたショッピの髪の毛をくしゃりとタオルで拭いて、そのタオルもショッピに渡す。
『着替え置いとくから』
ショッピ「あざす…」
お風呂に行ったショッピ。
みゃあ、と足に纏わりついてくるあめを撫でる。
着替えを風呂場の前に置き、リビングへと戻る。
急に眠気が押し寄せてきて、耐え切れず目を瞑った。
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退不(プロフ) - ?さん» ありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです…！ (8月10日 13時) (
レス) id: ce56b5bd9d (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 完結おめでとうございます👏🏻お疲れ様でした👏🏻退不様の作品をきっかけに愛されものにハマったのでこうして完結する事はとても嬉しいものです(ᐢ˶･ ･˶ᐢ)՞ ՞ (8月9日 20時) (レス) id: edd84c93f8 (このIDを非表示/違反報告)
退不(プロフ) - ミミックさん» 多様化の時代ですものね。いろいろな人がいていいと思うんです。実際僕も無性愛者…というか、アロマンテイックなので。珀逢くんには重ねて書いてます。コメントありがとうございました。 (7月17日 20時) (レス) id: ce56b5bd9d (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - おもしろかったです。多様化社会ですよね。僕もダクライフィリアなので、共感しました。 (7月16日 17時) (レス) @page2 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
晴子(プロフ) - 946.さん» ありがとうございます…！自分が愛されものの作品大好きなので…そう言っていただけて嬉しいです！ (2023年4月3日 22時) (レス) id: ce56b5bd9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴子 | 作成日時：2023年3月5日 21時
