#１５２ -RYOTA side‐ ページ5
．
Aと直己さんが作っていたのは、オムライス。
勿論、僕はAが掛けてくれた卵のやつ。
『ごめんなさい、上手く作れなくて … 』
「ううん、それでも嬉しい」
見た目も味も不器用でも、彼女が一生懸命エプロンをして作ってくれたんだから美味しいに決まってる。
玲「めっちゃ俺らの綺麗なんだけど」
「だってそれ、直己さんが作ったやつだもん」
龍「ほらぁ！やっぱりこうなるやん！！彼氏の特権使いやがって」
『ま、また今度作りますからっ』
あからさまに不貞腐れてる玲於は、何にも言わずにオムライスを頬張った。
玲「くそ、めっちゃ美味い」
直「ありがとうございます」
文句を言いつつも、玲於は嫌がる素振り一つ見せない。
きっと、うちに秘めてる想いは抑えられないほど溢れてるはずなのに。
僕なんて、抑えたくても抑えられないんだから。
一回振り切れた想いを、もう一度閉じ込めることなんてできない。
玲「 … 何ジロジロ見てんだよ」
「なんでもない」
何事もなかったように、彼女の作ったオムライスをスプーンで口へ運ぶ。
龍友くんだけがブツブツ文句を言いながら、夕飯を食べ終えて直己さんは家に帰っていった。
その前に呼び出され、耳打ちされたのは意外な両親の反応。
直「泣いてましたよ、お母様」
「え … ？あの人が？」
直「涼太さんにあんな想いをさせていたなんて思ってもみなかった、と … 」
直己さんが帰ってからも、その言葉がモヤモヤ残っていて気分が悪い。
あの人が僕の心配をしてるなんてことがありえるのか … ？
直己さんもグルになって、僕を徒然草戻そうとしてるのか … ？
… いや、直己さんがそんなことするとは思えない。
『ねぇ … ねぇってば！！』
「 … ん？」
『2人が練習しようだって』
いつの間にか洗い物を終えたAが、僕の服の裾を引っ張っているのにやっと気付いた。
嫌な想いを振り切るように軽く頭を振って、彼女の手を引いてスタジオの方へと歩いていく。
でも、Aはその場を動こうとしなかった。
「A … ？」
『 … 涼太くんがやりたいようにやっていいんだよ』
Aは駆け寄ってきて、僕に抱き着いた。
『自分の為に、本当にやりたいことをやって … 』
僕の、やりたいこと。
本当にやりたいことは …
．
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あ - 誤字多すぎなんだけど萎えるわ (2019年11月10日 16時) (
レス) id: 75e9093654 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - okppp212さん» コメントありがとうございます！そうなんです、あの漫画モチーフで書かせて頂いております！大好きなんですよね...あのバンドが... (2019年10月16日 21時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
okppp212(プロフ) - やっぱり好きな漫画のやつだ！ってこの章で発覚して楽しみで読ませていただいてます！がんばってください！ (2019年10月16日 21時) (レス) id: fb074e63b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: f9de41481b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年9月11日 14時
