#１８９ ページ41
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――――――――――『みんなを、幸せにしたい』
そんな私の願いは、どこに行ってしまったんだろう …
あの時間だけは、あの願いが叶っていたと思う。
私たちの音楽で、居る人聴いている人がみんな笑顔になって。
幸せだった。
どれだけ私が思い詰めていたって、夜は明けてまた朝はやってくる。
ベッドから降りて、カーテンを開けると夏になりかけている日差しが部屋に差し込む。
気持ち良く身体を伸ばして一息つくと、部屋の隅においてあったベースに目はいく。
歌うことができなくなった時から、手を付けていない。
手入れをしていないそれは、チューニングはズレて弦も所々錆が見受けられる。
『ごめんね、こんなになるまで放置しちゃって … 』
ケースの蓋を開けて、ベースを中へ仕舞った。
今日の放課後、メンさんのところに持っていこう。
ご無沙汰になってしまってるし、たまには行ってあげないとあの楽器屋さん潰れちゃいそうだし。
準備を終えて、久しぶりに背負ったベースはなんだかあの時よりも重く感じた。
いつも通りに学校に登校し、授業を受けて、また放課後を迎えて。
大切な人たちのいない空間は、今の私には窮屈でしかない。
友達に遊びに行かないかと誘われたけど、今日は背中にいるこの子の調整もあると断った。
冬休み中に付き合いだした私と涼太くんのことは、ちゃんと話していなくてもみんな私の雰囲気で察してくれている。
そのせいなのか、普段遊んだことのないような子も心配して遊びに誘ってくれることも多くなった。
気持ちは嬉しいんだけど、今はもうほとんど一緒に遊びに行くことは無くなって。
「感じ悪っ」
陰でそう言われているらしい。
勝手に言ってればいい。
私のことなんで、1ミリもわかってない。
わかろうともしてくれない。
きっと、哀れな私をかまってあげてる自分が可愛いだけのなんだから。
あれ。
ちょっと私変わった？
『ちょっと、玲於に似てきたかも … 』
心が荒んでるうちだけかもしれないけど。
玲於が今までどうして冷たくしてきたのか、わかったような気がする。
寂しいんだ。
誰も自分の気持ちをわかってくれないことに、腹を立てて。
内に秘めてる想いに気付いてくれないもどかしさ。
『玲於、今ようやくアナタのことが分かった気がする … 』
空に向かって呟いた。
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あ - 誤字多すぎなんだけど萎えるわ (2019年11月10日 16時) (
レス) id: 75e9093654 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - okppp212さん» コメントありがとうございます！そうなんです、あの漫画モチーフで書かせて頂いております！大好きなんですよね...あのバンドが... (2019年10月16日 21時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
okppp212(プロフ) - やっぱり好きな漫画のやつだ！ってこの章で発覚して楽しみで読ませていただいてます！がんばってください！ (2019年10月16日 21時) (レス) id: fb074e63b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: f9de41481b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年9月11日 14時
