#９. ページ9
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「お嬢様」
『ん … 』
「お嬢様」
『まだ …寝るから … 』
「二宮様がお越しでございますよ」
『二宮 … 』
ん？今なんて言った？
寝ぼけてた頭が徐々に冴えていき、冷静に考える。
ここは私の部屋、私のベッド。
そして今日は大学休みなはず。
ここちょっと待って、ほんとにここ大学じゃないよね？
キョロキョロ周りを見渡してもやっぱり私の部屋。
『何で先輩がいるの！？』
「やっとお目覚めになられましたか … 」
『だから何でいるの！！』
「デートのお誘いに来られたそうです」
『で、デート！？』
バタバタとベッドから降りて、慌てて部屋を出ようとする。
影「お待ちください、お嬢様っ！ … もしやそのままの格好で行かれるおつもりですか？」
裸足で白いナイトドレスのままで、おまけに寝起きで髪もぐちゃぐちゃですっぴん。
『む、無理です … 』
「今、二宮様はランチをお召し上がりになっておりますゆえ、その間に急いでご支度を」
『 … ランチ？』
「はい、何度もお声がけしてもお嬢様がお目覚めにならないのでランチをご用意させて頂きました」
「え、今何時 … ？」
「お昼の、丁度12時でございます」
影山が私に懐中時計を見せてきて、確かに針はぴったり頂点で重なり合ってた。
『 … 先輩何時からいるの？』
「10時過ぎ位だったと … 」
私、めちゃくちゃ先輩のこと待たせてるじゃん！！！
『か、影山なんでもっと早く起こしてくれなかったの！』
「あまりにも可愛い寝顔だったものでつい … 」
『�爐弔� … �瓩犬磴覆ぁ�！てか、可愛いって何よ、バカ！！』
「そんなことより、早くお支度をなされた方がよろしいのでは … ？」
慌てて部屋の中に戻り、クローゼットを開ける。
『ど、どれにしよ … 』
「ドレスをご用意いたしましょうか？」
『そんなの浮くだけじゃん！嫌よ、もっとカジュアルな … 』
私が言い終わる前にクローゼットの中から私好みのコーディネートを用意してくれた。
『影山って … なんでもできるのね … 』
「有り難きお言葉」
私に洋服を差し出し、影山はドアの方へ向かう。
「お着替えが終わりましたらお声がけ下さい。ヘアメイクもお任せ下さい」
『執事って、万能ね … 』
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作者名：夜天 | 作成日時：2017年3月9日 19時
