Secret《S.S+K.N》 (ページ29)

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#２９. -SHO side- ページ29

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「 … は？」

しばらくベンチに座って話してて衝撃なことが◯◯ちゃんの口から飛び出す。

『Aね、お友だちいないの』

「ま、マジで … ？」

『だからね、ずーっと1人で遊んでるの』

手の中でボールを転がしながら笑顔で話してくる。

なんで笑顔で話せんだよ、そんなこと。

『お兄ちゃんはお友だちいるの？』

「まぁ … いる、かな」

『いいなぁ』

笑顔だけど、公園で友達と遊んでる他の子達を見てる目はどこか寂しそうで。
1人でいつも遊んでてどんな気持ちなんだろうとか、この子の気持ちを考えたら胸がギューッと締め付けられた。

「じゃあさ、俺が友達になってやるよ」

『ホントに！？』

さっきの瞳とは打って変わって、今度はキラキラした瞳で俺を見てくる。

「Aちゃんの友達第1号は俺な」

立ち上がりピョンピョン飛び跳ねるAちゃん。
歓喜してる声なのか甲高い声で喜ぶ声に素直に可愛いと思えた。

この子か大きくなったらどれだけ可愛くて素敵な心優しい子になるとか考えたら、その姿を見てみたくてしようがなくて。

「お兄ちゃんの名前、翔って言うの」

『しょう？』

「そう、櫻井翔。忘れちゃダメだかんな」

『さくらいしょうくん！！覚えた！ずーっと忘れないよっ』

きっとこれから友達たくさん出来て、いろんな人と出会っていったら、俺のことなんて忘れちゃうのかな。

まぁ、それでもいいか。
俺がAちゃんを覚えてればいいんだから。

『あっ、これあげるっ』

そう言って髪をふたつに結んでいた赤いリボンを片方解いて俺の腕に結びつけ。

『Aのお気に入りのリボン』

「ちょ、そんなの」

『しょうお兄ちゃんとお友だちってしるし。これしてればどこにいてもすぐわかるもん』

まん丸の純粋なこの瞳は冗談を言ってる訳はなく、座っていた俺の膝に乗りかかってニコニコしている。

「こっちおいで」

俺はAちゃんの軽い体を持ち上げて、自分の膝の上に座らせた。

「この髪じゃ嫌でしょ」

ひとつ残されたリボンを解いて、Aちゃんの髪を手櫛で梳かす。

『ポニーテールがいいなぁ』

「かしこまりました」

足をプラプラさせて座ってるAちゃんに笑みがこぼれてしまい、「ふっ」と声が漏れてしまい。

細くてサラサラな髪を結っていると、シャンプーの香りがふわっと広がった。

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