#２１. -KAZUNARI side- ページ21
.
「お邪魔しまーす」
あの後結局2人で大学サボって、Aちゃんは疲れたのかそのまま寝ちゃって。
俺は買い物ついでに外に出て不意にあの男が今どんな顔してんのか気になってここにいる。
影「いらっしゃいませ、二宮様」
Aちゃんの住んでた一ノ瀬家のお屋敷。
影「只今お茶とお菓子をご用意いたします」
「あ、いいよ別に。Aちゃんの荷物とあんたの顔見に来ただけだから」
影「お嬢様 … の、荷物でございますか … ？」
なんにも言わずに出てきたんだな、やっぱり。
「大切なお嬢様は俺が貰うから」
平常心を装ってるけど、手に力入ってんのバレバレだっての。
影「お嬢様は今、二宮様のお宅にいるのでございますか … ？」
「さぁ？」
もっと、もっとだよ。
もっと俺に突っかかって来いよ。
影「もしそうならば安心致しました」
「 … は？」
何なんだよ、こいつ。
「それ本心？」
影「本心でございますよ？今頃1人でいらっしゃるのではないかと心配で … 」
「 … 嘘だろ」
ホント気に食わねぇ …
「お前、本性そろそろ出したら？」
影「と、おっしゃいますと？」
「ホントはこんな執事やってるようなやつじゃないだろ」
初めて会ったときから気付いてた。
「お前、左耳ピアス開けてんだろ」
影「お気付きでしたか」
「こんな日本有数の一流財閥の執事さんがピアスなんてするはずない。なるべくしてなった執事じゃないでしょ」
… まぁ、俺のメイドもそうだけどね。
影「そういう二宮様もご身分を隠してございますよね」
「あら、バレてました？」
影「国体最大手の玩具メーカーの跡取り。お名前を聞いた時から気付いておりました」
一呼吸置いて、また執事が喋り始めた。
影「それと、女遊びが激しいことも存じております」
「さすが執事さん。この金持ちの世界のことは何でも知ってるわけね」
影「お嬢様をどうするおつもりですか」
鋭い目つきで俺のことを睨む。
「どうもこうも彼女の方から俺に寄ってきたんだよ？そんなこと言われても、ね」
1歩ずつ執事との距離を詰めていき、あと1歩で顔が付きそうな距離まで歩み寄る。
「どうやってあんたが執事になったのか、おれ知ってるよ。お前とAちゃんの間に昔何があったのかも」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜天 | 作成日時：2017年3月9日 19時
