Secret《S.S+K.N》 (ページ15)

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#１５. ページ15

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自分の言ったことにはっとなり、咄嗟に口を抑える。

『 … っ』

「 … お嬢様」

私の言葉に微動だにせず、いつもの優しい影山のまま私の前で膝を付き顔を見上げる。

「お嬢様、それは勘違いでございます」

『な … んでよ … 』

「ずっと私がそばにいて、そう思い込んでいるだけでございます」

『違うよ … 本当にあなたのことがっ！』

「お嬢様！」

初めて聞いた大声で思わずビクッと体が強ばる。

でも、気づいてしまった。

「本心でなくとも、私には勿体無いお言葉でございます」

影山？

「けれど … 私は執事。そのお嬢様の想いに答えることはできないのでございます」

なんで、そんな悲しそうな顔するの？
その言葉はあなたの本心なの？
仕事だからそう言ってるだけで、本当の貴方はどう思ってるの？

「新しい執事を付けさせて頂きます」

『 …え？』

「これ以上お仕えするのはきっとお嬢様に悪影響を及ぼしてしまいます。私のせいで私生活が疎かになってしまうのだけは避けたいのでございます」

『嫌 … 、影山以外の執事なんて … 』

影山がいなくなるのは絶対嫌だ。
貴方がいたから立ち直ることができたのに、色んな事を貴方からもらったのに。
何も返すことできてないのに。

『好きになることが、そんなにいけないことなの？』

「お嬢様と執事は主従関係。そこに恋愛感情など必要ないこと」

『本当に思ってるの、そんなこと … 』

「私は仕事でお嬢様のおそばにいるだけでございます」

『仕事？じゃあ、今まで一緒に笑ってきたことも全部嘘だったの … ？』

視線を逸らし、俯く影山に何か期待してしまう。

嘘じゃないよね？
あの笑顔は本当だったんだよね？
ほら、私の方を見てあの笑顔で笑ってよ。

何か覚悟を決めた影山が強い視線で私を見つめる。

「お嬢様はただのお仕えしてる主でございます。そんな感情、一切ございません」

私の中で何かが弾けた音がした。

『そう、ですか … 』

───────「ただのお仕えしてる主」

思わず手に持っていた紅茶を影山にかけた。

『あなたの事、信じてた私が馬鹿だったっ！！！』

椅子にかけてあった上着だけ手に持ち、そのまま私はお屋敷を飛び出した。

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