#５１ -Smoky side- ページ2
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肺が痛い、息をするのが苦しい。
酸欠で目の前が霞んで見える。
でも、そんな自分の身体のことなんて今はどうでもいい。
「A … っ」
今なら素直に言える気がする、彼女が求めていた言葉を。
だから、待っててくれ。
ちゃんと伝えるから、俺の気持ちを。
�牋Δ靴討覘瓩� …
「なんだ、これ … は … 」
俺が達磨に着いて目の当たりにした光景は、想像と随分異なっていた。
深紅の法被を着た人間が折り重なるように何人も倒れていた。
それは、日向がいるであろう大広間までずっとだ。
時々ルードの人間を見かけたが、意識のあるやつは俺の顔を見るなり意味深げに視線を外す。
その意味を理解するのに、そう時間は掛からなかった。
大広間へ続く扉は少し開いていて、そこを守るように座っていた饕餮兄弟は口を揃えて「遅ぇよ」と俺を睨み付けてきたからだ。
「遅い」ってなんだ？
この扉の向こうに、彼女はいるんだろう？
彼女に会いたい一心で扉を開けると、見えたのはこちらに背中を見せて座り込んでいる日向の姿と、隣に立っていたのはタケシとピーの姿のみ。
どこを探しても、Aの姿は見えなかった。
T「スモーキー … 」
俺に気付いたタケシが名前を呟くと、日向がゆっくりと振り向いて俺の姿を目視する。
紀「てめぇ … どの面下げてここにきた … ？」
日向の手にあったのは、Aが大切に持っていた深紅の法被。
それを握る彼の拳には、震えるほど力が入っていた。
「いない、のか … ここに … 」
別に誰を責めて言った訳じゃない。
ただ、その一言が日向の怒りの引き金を引いてしまったらしい。
紀「何のために無名街に逃がしたと思ってんだ！！！！！」
日向は勢いよく両腕で俺の胸倉を掴み上げた。
紀「あそこに居れば、お前が守ってくれると思ったから逃がしたんだぞっ！！」
「彼女、は … Aは … ？」
紀「 … DOUBTに攫われた」
俺が倒れている間に起ったことは、取り返しのつかない状況を作り出していた。
あの時俺が倒れなければ、彼女を危険に晒すこともなかったのに。
紀「お前っ、何してんだよ … っ」
悔しさと無力さに脱力した日向は、これ以上俺に噛み付いてくることはなかった。
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夜天(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！最後まで読んで頂きありがとうございました！日向ちゃんもいいですよねぇ...どのキャラも捨てがたい... (2020年7月18日 10時) (
レス) id: 29584efb35 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白くて完結が少し寂しいです笑、達磨一家の日向の話をリクエスタしたいです！次回作も楽しみにしてます (2020年7月18日 0時) (レス) id: c9422fb7c8 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - みかんさん» 良かったら読んでみてください(*^^*)たくさんお話出来てうれしいですよ！ (2020年7月16日 20時) (レス) id: 29584efb35 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 夜天さん» ほんとですか！？楽しみです！！いっぱいコメントしちゃってすいません(･･;) (2020年7月16日 18時) (レス) id: d4768f32ab (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - みかんさん» ですよね！！すでに青い鳥アプリの方でちょこっとプリレジェとのコラボ作品書いてたりするんで、それを長編にしようかと... (2020年7月16日 16時) (レス) id: 29584efb35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2020年2月26日 15時
