#17 ‐RYOTA side‐ ページ17
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「 … 緊張する?」
『リハーサルしてる時はソワソワしてたのに、今は実感が湧かなくて … 』
「そうだよね … 僕もそんな感じ」
だって、彼女の人生を背負うことになるから。
緊張という言葉じゃ表現できないぐらい気が張ってる。
僕がこの家に人間じゃなければ、もっとラフに紹介することも出来た。
今まで何度も「この家に生まれなければ良かった」と思ったことか。
でも、彼女は僕がどこの誰であれ、愛してくれた。
家のことも、今まで僕が過ごしてきた人生を、ちゃんと受け入れてくれた。
隣にいる彼女の手の温もりが逃げないように、僕ができることはただ一つ。
この先、何があってもAのことを愛し続けること。
――――――――――ギュ … ッ
決意と共に、繋いでいた手に力が入る。
『涼太くん … ?』
「ううん、なんでもない」
きょとんとする彼女がとても可愛らしくて、少し体を屈めて耳の辺りにキスを落とす。
「や … っ、こんなところで … っ」
『何もしないよ』
「じゃ、なんでこんなところに … 」
顔を赤くして、キスをした場所を手で抑える仕草がとても愛らしい。
もうちょっとだけ意地悪したくなったけど、エレベーターは目的の階に着きそうで。
「 … 唇にキスしたら、グロスが移ってキスしたのバレちゃうでしょ?」
エレベーターの扉は開き、ボーイの人がすぐ横で待ち構えていた。
ちょっとは緊張が解けただろうと彼女のことを確認すると、違う意味で固まってるご様子。
… ちょっと刺激強めだったかな?
「予約していた片寄です」
ボーイ「片寄様、お待ちしておりました。ご案内します」
閑静な雰囲気のレストランで手を繋いでいるわけにも行かず、固まってる彼女の手を取って、僕の肘に掛けてあげる。
そんな些細なことでも過敏に反応するAがまたまた可愛くて、口元が綻んでしまう。
それを抑えながらボーイについて行き、通されたのは夜景が一望できる個室。
『あ … っ』
彼女が声を出したのは、当然。
すでに両親は席について、シャンパンで乾杯しているようだったから。
案内してくれたボーイはいつの間にか下がっていて、個室には4人だけが残された。
「遅くなって、すみません」
母「そんなことは良いから早く座りなさい」
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夜天(プロフ) - こじゃるさん» ありがとうございます(^ω^) (2020年2月26日 17時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新頑張ってください。 (2020年2月25日 22時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» お待たせしてしまって申し訳ございませんでした...これからもどうかよろしくお願いします!!! (2020年2月18日 14時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。ありがとうござます! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 華凜さん» コメントありがとうございます!玲於ちゃんのお話は色々考えているので、投稿するまで待って頂ければ幸いです。 (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2019年10月18日 14時