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#16 ページ16

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これを着て、涼太くんのご両親にご挨拶をする。

でもこれドレスは誰が払ってくれるの?

フィッテングルームから出てきた時の顔は凄く不細工だったと思う。

涼太くんは「可愛い」と言ってくれたけど、自分の気持ちが全然可愛くない。

メイクをしてもらってる時も、髪を結ってもらってるときも、全然気持ちは晴れない。









次に彼を顔を合わせた時、髪をふわふわにセットしてもらって一段とカッコよくなっていた涼太くんの隣に立つのが恥ずかしかった。


「じゃ、行こうか」

『え … う、うん … 』


私の不安をよそに、私たちは会計もせずにお店を出た。









訳の分からに状況に、車の中でもスポーツカーには似合わないシックな音楽が流されていたけど、全然耳に入ってこなかった。

こんなモヤモヤしたままご両親と食事なんてするわけにも行かず、思い切って涼太くんに問いかける。


『このドレスの代金って … 』

「あぁ … プレゼント」


一瞬言葉に迷ったようにも感じたけど、気にするほどでもなく。


「だからAは気にしなくていいよ」

『でも、そんな値段じゃないですよね … っ』

「いいからっ、本当に気にしなくていいの」


私がどれだけ抵抗しても、涼太くんは「気にしなくていい」の一点張り。









そんなやり取りをしている間に、車はこれまた高級そうな高層ホテルに入っていった。

地下の駐車場に車を止めて、ハンドバックに必要な物を入れ替えて車を出て。


「 … 緊張する?」

『リハーサルしてる時はソワソワしてたのに、今は実感が湧かなくて … 』

「そうだよね … 僕もそんな感じ」









彼は私の手を取って、エレベーターがあるところまで雑談しながら歩いてく。


「Aのご両親は快く僕を受け入れてくれたけど … 」

『こんな私のことを、涼太くんのご両親が認めてくれるのか … 』

「 … ごめん、僕がこんな家に生まれたから」


エレベーターのドアは開き、中へ乗り込んでレストランのある階を押し、ドアが閉じたところで話を続ける。


『でも、ご両親がいたからこうして私に出会えたんでしょ?』









厳格なご両親へと反発で、あの高校に入学してくれなければ …

ピアノの音に魅かれて、あの日音楽室の扉を開けなけれな …









涼太くんと出会ったことは、奇跡なんだから。

こんな大好きになれる彼を産んでくれたご両親には、感謝してもしきれない気持ちでいっぱいなの。



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設定タグ:GENERATIONS , 片寄涼太 , 佐野玲於   
作品ジャンル:恋愛
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夜天(プロフ) - こじゃるさん» ありがとうございます(^ω^) (2020年2月26日 17時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新頑張ってください。 (2020年2月25日 22時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» お待たせしてしまって申し訳ございませんでした...これからもどうかよろしくお願いします!!! (2020年2月18日 14時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。ありがとうござます! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 華凜さん» コメントありがとうございます!玲於ちゃんのお話は色々考えているので、投稿するまで待って頂ければ幸いです。 (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜天 | 作成日時:2019年10月18日 14時

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