#3 -REO side‐ ページ3
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俺も生殺しの様な日々が続いて、早4か月近く。
目の前ににいる愛しい人は、いつになっても俺だけを見てくれようとしない。
仕事でほぼ毎日顔を合わせている分俺の方が有利な立場にいるはずなのに、どうしても上手くいかない。
それで、今もこうして俺の目の前でイチャイチャしてているわけで?
今すぐにでも、彼氏の王子顔をぶん殴ってやりたい。
… まぁ、そんなことしても俺の好感度が下がるだけだから内に秘めておこう。
披露宴会場の壁いっぱいに映し出されている映像は、とてもこれまで苦労してきた人とは思えないほど、どれも幸せそうな笑顔で。
俺の隣にいる龍友くんの横顔も、やっとここまで笑うことができるようになったのかと思えるほど気持ちのいい笑顔だった。
いつか、俺もこの人たち見たいな関係になれるのかな …
別にAのことを諦めたわけじゃない。
アイツがいつか涼太と別れて、俺と一緒になってくれる日と信じてる。
でも、現状そんな簡単に行くわけがない。
このアツアツカップルを見てると、俺なんて彼女の眼中にもないんだと思い知らされる。
「俺の立場も少しは考えろっての」
呟いた言葉は、音楽にかき消されて聞こえなかっただろうか?
龍「 … まぁ、今はそんなんでえぇんとちゃうか?」
俺の言葉は龍友くんにだけ届いていたらしく、映像に目を向けたまま呟いた。
「龍友くんは、もう吹っ切れた … ?」
龍「 … やっとな。あんな幸せそうな笑顔見せられたら、降参するしかないやろ」
ここに一人、愛していた人を諦めた男がいた。
龍「好きな女の幸せを願うのも、愛情の一つなんやて … やっとわかったわ」
いや、諦めたわけじゃなかった。
少しだけ、愛情表現の方法を変えただけ。
すげーよ、龍友くん。
「俺も、そうなるといいんだけど」
自信はない。
でも、今のAのことを考えるとそうするしか方法ない。
例え振り向いてくれなかったとしても。
そっと見守るのも、一つの愛。
… なんかカッコイイかも。
映像が終わるとアナウンスと共に、閉まっていたカーテンが一気に開いて明かりが差し込む。
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夜天(プロフ) - こじゃるさん» ありがとうございます(^ω^) (2020年2月26日 17時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新頑張ってください。 (2020年2月25日 22時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» お待たせしてしまって申し訳ございませんでした...これからもどうかよろしくお願いします!!! (2020年2月18日 14時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。ありがとうござます! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 華凜さん» コメントありがとうございます!玲於ちゃんのお話は色々考えているので、投稿するまで待って頂ければ幸いです。 (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2019年10月18日 14時