#２５１ ページ5
２５２．
『先程はお騒がせして申し訳ございませんでした』
私に続いて玲於も「すみません」とカ軽く頭を下げる。
『こんな私たちですが今日は会場精一杯盛り上げますので、それで許して下さい』
亜嵐、隼、そして玲於 …
それぞれに目を合わせると、3人とも気合が入ってるのが分かる。
私に音教えてくれた龍友くん、リサさん、北ちゃんに壱馬。
涼太くんには、感謝してもしきれない恩がある。
『今日の音楽が、それぞれの大切な人に届きますように … 』
目を瞑って、深く息を吸う。
『ready GO！！』
気合を入れて舞台袖に向かう途中、玲於が私の手を取って隣を歩いてくる。
『どうしたの？』
玲「ガラにもなく、緊張してる … 今日は … 」
繋いだ手から伝わってくる緊張感が、今まで平然としていた私にも伝染してきてしまった。
玲「ステージに上がれば平気なんだけどな … 」
『でも、これって私が経験したことない規模のライブでしょ … ？お客さんもたくさんいるし』
一段と手を握る力が強くなり、彼の横顔を見てみる。
玲「大丈夫、一人じゃないから」
前を見据えたまま、まるで自分に言い聞かせているようにも聞こえる。
その言葉で、今までどんな状況であっても彼が支えてきてくれたことを改めて実感する。
『それ、さっき私にキスした人がいうセリフ … ？』
玲「は？それは関係ないだろっ、あとで涼太消毒でもしてもらえって」
『もう消毒済ですぅ』
彼の手を振り切り、前に立つ。
『でも、ちょっと嬉しかったから許してあげる』
こんなこと普通じゃありえないかもしれないけど、これが私たちにとっての普通なの。
隣に2人がいてくれれば、私はどんな状況だってへっちゃらなんだから。
舞台袖に入ると会場のざわつきが聞こえてきて、緊張感と高揚感が混ざり合っていく。
ステージには楽器の最後のチェックをしてるスタッフさんが奏でる音が響き、それが会場をもっと煽っている。
亜「過去最高ぐらいじゃね？この感じ」
隼「うわ、俺らの仮面作ってきてくれてる子とかいるっ」
2人は緊張感なんてないのか、袖からチラチラ客席を覗いて楽しんでる。
やっと、この日がきたんだ。
ここにきて実感が湧いてきた身体が、心から熱くなっていのを感じる。
．
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夜天(プロフ) - こじゃるさん» コメントありがとうございます！やっとここまで来ることができました(泣)まだ続く続編のこともよろしくお願いします！ (2019年10月18日 17時) (
レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編楽しみにしています。 (2019年10月18日 14時) (レス) id: f9de41481b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年10月15日 14時
