#１３４ ページ4
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それを受け取り、ゆっくり表紙をめくる。
そこには1ページずつに俺の曲とAのデザインした衣装が何着も描いてあった。
懐かしい彼女の文字で一つ一つイメージやポイントなど書き込んであって、やっとあの時の謎が解けた。
これ描いてたから俺には見せてくれなかったんだ …
雅「これ渡された時、A泣いてた」
「 … 泣き虫だから、しょうがないでしょ」
雅「これ着てる和を見たかった、約束遅くなっちゃったってボロボロ泣いてた」
約束 …
──────────『和くんが歌手になるなら、私も立派なデザイナーになって、和くんのライブの衣装デザインしてあげる』
もう何年前の約束だよ。
でも、ちゃんと覚えててくれてたんだ。
「なんですぐ渡してくれなかったの」
雅「いやそれはちょっとは … 」
「 … なに」
雅「和のこと、俺たち見てらんなくて」
目を逸らして俯く雅紀。
雅「あの時の和は空元気っていうか、いつも通り振舞おうとしててそれが逆に辛そうで … たちだって悲しいのに、全くそんな素振り見せないようにしてた和のことなんとなく避けてた … こっちまで辛くなってきちゃって … 」
確かにそうだった。
身内だけで葬儀を終わらせてすぐ仕事に戻ってた俺はおかしかった。
仕事の時の笑顔と雰囲気をみんなにも無意識に使ってたんだ。
その分の反動は大きくて、1人になった時一気に寂しさと孤独が押し寄せてきて荒れてた。
「ごめん … 」
雅「頼っていいんだよ … ううん、頼ってよ」
「 … 同じこと、Aにも言われた」
雅「ほら、やっぱりAだってそう思ってるんでしょ？だったら尚更！！」
「どうぞ！俺の胸で泣いてください！」と言わんばかりに胸を張ってる雅紀の頭をポンポンと撫でる。
「頼りになる弟だこと」
雅「へへ、でしょ？」
顔をくしゃっとさせて照れ笑うその顔はずっと変わらないのに、中身は俺よりしっかり成長してるよお前は。
「それ食ったら帰ってください」
雅「えー、やだー」
「あなただって暇じゃないでしょ、試合は？」
雅「まだちょっと先、でもまぁこの後ジムかな」
「予定あるじゃん」
雅「 … たまにはみんなで集まろうね」
ぼそっと口にしたその言葉が本音だと思う。
彼女が居なくなって葬儀が終わってからまだ1度もみんな揃って顔を合わせてないから。
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夜天(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、虹きみを読んで頂きありがとうございました！ (2020年1月6日 19時) (
レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - meiさん» コメントありがとうございます！顔面をそんなにして頂いたなんて…ありがとうございます！ (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 久しぶりに沢山泣きました。こんな感動する小説を書いてくださりありがとうございました (2019年12月14日 4時) (レス) id: cd190f001a (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 泣きすぎて顔面とんでもないことになってしまいましたw感動しました！ありがとうございました！ (2019年11月25日 15時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - PEANUTSさん» コメントありがとうございます！その言葉が何よりの励みです！ありがとうございます (2019年5月29日 18時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月19日 22時
