#１４２ -SATOSHI said- ページ12
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確かにそうだ。
30歳手前にもなってこんなワガママ。
「わりぃ … 」
和「あなたの好きだったAはもういないんだよ、彼女は全くの別人な訳。そんな死人のこと重ねられてる真美ちゃんの身にもなれよ」
淡々と話す和に申し訳ない気持ちが芽生えてきた。
人の家族に未練タラタラな話されても、ましてや自分だってまだ吹っ切れてないようなことを俺に話されたってただの迷惑だよな。
「ごめん … ホントにごめん … 」
和「無理やりこんなとこ連れてきた理由が人のもうこの世にいない嫁に未練タラタラで、まさかの自分の彼女がその嫁にそっくりで好きなのにどうしたらいいのか分からないってホントに迷惑」
そんなに詳しく説明しなくてもわかるわ。
俺が口を開こうとした時、和の方が先に話し始めた。
和「好きなら、大切にしてやれよ」
その言葉は自分自身に言い聞かせてるようで。
月明かりに照られ、和の白い肌が一層白く見えてその横顔がもう消えてしまいそうなぐらいだった。
手を伸ばし、彼の髪を触ってみるとちゃんと触れられて安心した。
「そうする」
和が一生悔やんでも悔やみきれないその感情を俺は取り除くことはできないけど、Aと同じ思いをさせないように彼女に愛情を注ぐことはできる。
和「あんたが選んだんだろ、彼女のことを」
「うん」
和「なら … 彼女のことを好きでいてあげて」
「自分の時間を生きて」とボソッと呟く和。
それはきっと「過去の女にもう縛られることはない」って意味なんだと思う。
そっと和の後頭部に手を添えて自分の胸にコトンと倒す。
ゆっくり、優しく、彼の髪を撫でると「青春ごっこですか」と服で篭った声を出した。
そうだよ、青春ごっこ。
ダメな大人の青春ごっこ。
静かに泣いてる弟をほっとけないお兄ちゃんなの。
でも、そんなの言い訳で。
ホントは自分の泣いてる顔を見られたくないだけだった。
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夜天(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、虹きみを読んで頂きありがとうございました！ (2020年1月6日 19時) (
レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - meiさん» コメントありがとうございます！顔面をそんなにして頂いたなんて…ありがとうございます！ (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 久しぶりに沢山泣きました。こんな感動する小説を書いてくださりありがとうございました (2019年12月14日 4時) (レス) id: cd190f001a (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 泣きすぎて顔面とんでもないことになってしまいましたw感動しました！ありがとうございました！ (2019年11月25日 15時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - PEANUTSさん» コメントありがとうございます！その言葉が何よりの励みです！ありがとうございます (2019年5月29日 18時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月19日 22時
