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次の日。
俺は画材を持って、山の中を徘徊していた。
ここの自然は色鮮やかで、絵を描くには最高のロケーション。
石のゴロゴロした河原で画材を広げて、キャンパスに色を付けていく。
何も考えずに、感じたまま。
ばあちゃんが作ってくれたおにぎりにかぶりついて、昼過ぎまで絵を描く続けて。
我ながら、久しぶりに納得のいく絵が描けそうなんて、自画自賛してみたり。
でも、足りないんだ。
綺麗な景色を描いてみても、旅先で出会った人を描いても、やっぱり満たされない。
原因は、ちゃんとわかってる。
描きたいものがあるから。
それを描くまで俺は満たされれない。
「まだ … 描けないよな … 」
河原に寝転んで、真っ青な空を見上げてた。
気持ちに整理がつくまで、彩佳の絵は描かないと決めていた。
きっと気持ちが揺らいでいたら、納得のいくものは描けないだろうから。
翔ちゃんも、雅紀もすごいんだよ。
あいつらも彩佳のことが好きなのに、ちゃんと気持ちに一線を引いて傍にいる。
でも、一番すごいのは潤。
気持ちに蓋をすることができなくてあの事件を起こしたのに、今は芽衣ちゃんと付き合っていて、一緒に住んでお店まで営んでる。
そんな中、俺は何の努力もせずに彩佳から距離を置いて逃げた。
「こんなんじゃ、まだだな」
『何がまだなの？』
またいきなり上から覗き込んできたA。
「お前は普通に登場できないわけ？」
『たまたまいつも智が寝転がってるんだもん、しょうがないじゃん』
額に冷え切ったラムネ瓶を乗せられて、『これ、差し入れ』を渡される。
俺がのラムネを飲んでる間、Aは物珍しそうに俺の描いた絵や画材をまじまじと見つめていて。
「そんな面白い？」
『面白いっていうか … 不思議』
「不思議 … ？なにが？」
『何もないところに、見たまんまの風景が描けるなんて』
その時の彼女の顔を見ないように表情は、今まで見た中で一番笑顔だった。
いつも傍で見ていた和に向けていた彩佳の笑顔とそっくりで。
『マジで似てんだよな … 』
俺の呟きを聞き逃さなかったAは、少し申し訳なそうにキャンパスに向かったまま話し始めた。
「 … その彩佳って子は、智の特別な子？」
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夜天(プロフ) - Mei宮さん» コメントありがとうございます。そうなんです、智くんなんです！これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 19時) (
レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
Mei宮(プロフ) - 続きがまさか智くんの物語で読めるなんて!! すごく嬉しいです！楽しみにしています♪ (2019年5月27日 18時) (レス) id: b1ed9ae736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月26日 23時
