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何の会話もないまま駄菓子屋に連れ戻され、こんな得体の知れない俺をばあちゃんは笑顔で迎え入れてくれた。
飯も風呂も、2階の空き部屋に用意してくれて。
なんとお礼を言ったらいいのかわからない。
「あとはあの意味わかんない女 … 」
家に帰ってきてから、自室にこもって一度も出て来やしない。
ばあちゃんが呼び戻してくれたんだとしても、あの態度はないだろ。
深くため息とつき、窓辺に寄りかかって夜空を眺めた。
「この景色、彩佳に見せたいな … 」
きっと彼女は大はしゃぎして、喜んでくれるに違いない。
スマホのカメラを起動して夜空を映してみても肉眼ほど綺麗には映らず、諦めて腕を下す。
「しばらくここにいっかな … 」
さっきばあちゃんに「いくらでもいていい」って言われたし。
ここなら、自然が豊かだから納得のいく絵が描けそうだし。
毎日のんびり過ごして、絵描いて、川があったから川釣りにでも挑戦してみたりして。
なんだ、案外楽しめそうじゃん俺。
『 … ねぇ』
今まで姿を見せなかったくせに今更なんだよ。
廊下の扉の方から声はするけど、姿は見せないA。
「 … なに」
『いつまで、いんの … 』
「明日帰るから、安心して … 」
『帰んないで … お願い … 』
想像してたのと全く正反対の答えだった。
「なんなんだよっ、連れ戻したわりにはそっけない態度して … 帰ってほしいのかと思ったら、帰るなって … っ」
流石に腹が立って、彼女の声がする方に大きな足音を立てて近づく。
──────────コンッ
俺が外を覗いた時にはもう彼女の姿はなく、代わりにそこにあったのは薄い青色のビーダマ。
彼女の落とし物なのはわかっていたけど、それを返しにいく気にはならず、しばらく手のひらで転がしてみた。
「なんで、こんなもん … 」
部屋の扉の横に置かれていた、汗をかいたラムネの瓶。
その中にあるビーダマと、Aが落としていったビーダマは同じ色をしていた。
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夜天(プロフ) - Mei宮さん» コメントありがとうございます。そうなんです、智くんなんです！これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 19時) (
レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
Mei宮(プロフ) - 続きがまさか智くんの物語で読めるなんて!! すごく嬉しいです！楽しみにしています♪ (2019年5月27日 18時) (レス) id: b1ed9ae736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月26日 23時
