#１８ ページ18
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結局、その日ははっきりとした答えをもらえないまますぎてしまった。
でもその日の夜、風呂上りにラムネを差し出してきて俺にボソッと『海行きたい … 』と呟いたA。
ラムネを受け取り、それを喉に流し込んで一息。
「海って … なんで？」
『いいじゃん、それ受け取ったんだから連れてけっ』
こいつ … 何にも言ってないのにそれはずるい …
しかも、俺の運転で行きたいらしい。
聡のあの名前入りのバイクで。
可愛い顔して言われたら、断れないだろ普通。
それで、俺が「いいよ」って答えれば子供のような笑顔で返してくる。
Aのことを好きだと認めてから、どんどん彼女のことが好きになっていく。
ほんの数時間しか経ってないのに、どんな仕草にもドキドキする。
そして、一夜明けた今。
後ろで必死に抱き着いている彼女の柔らかい何かが背中に当たっていて心臓バクバク。
海風が気持ちいとか、風が気持ちいとか、そんなの全く入ってこない。
ただ、事故りたくないことと、彼女のソレを直で感じてる緊張感でいっぱいいっぱいで。
目的地の浜辺に着いた頃には、俺はもうへとへとで …
『智、大丈夫 … ？』
「色んな意味できちぃ … 」
岩陰の砂浜に寝転がった。
彼女も流石にそんな俺を誘うのは諦めたのか、一人で波打つ海岸に向かっていった。
「あんまり深いとこまで入んなよぉ」
『子供じゃないんだから、大丈夫だよ』
履いていた靴を脱いで浜辺に打ち上げる波の満ち引きを楽しんでる姿を見ていると、昔みんなで海に遊びに行ったことを思い出す。
まだ小学生か幼稚園生ぐらいの彩佳が、波は怖くて全然笑顔にならなかった。
ずっと俺の後ろに隠れて雅紀と潤が遊んでるのをじーっと見つめてて。
「怖いの？」
彩佳「だって食べられちゃいそうで … 」
「何に？」
彩佳「サメさんに … 」
いつか偶然見てしまったサメのホラー映画が忘れられずにいるらしい。
「よしよし」と頭を撫でていると、和がどこから見つめてきたのかサンゴの欠片を彩佳に渡しにきて。
和「綺麗なの、いっぱい探そ」
その一言で彩佳は初めて海の方へと自ら歩いて行った。
結局、おいしいところは全部和が持っていってさ …
「思い出しただけでも腹立つわ」
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夜天(プロフ) - Mei宮さん» コメントありがとうございます。そうなんです、智くんなんです！これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 19時) (
レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
Mei宮(プロフ) - 続きがまさか智くんの物語で読めるなんて!! すごく嬉しいです！楽しみにしています♪ (2019年5月27日 18時) (レス) id: b1ed9ae736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月26日 23時
