#１６ ページ16
.
床に手をついた時、手に何か固いものが当たって下を見る。
「なんだ、これ」
手に取って見てみると、それが指輪のケースだということに気付く。
何も聞かなくても、それが彼女と聡のものだってことぐらい俺でも理解できる。
この時、初めて�狒△泙靴き瓩箸いΥ蕎陲�生まれた。
聡に対して、なんでこんな気持ちにならなきゃいけないんだと自分でも馬鹿らしいと思う。
彼女にとって、聡はかけがえない存在で何にも代えられない大切な人。
それなのに、こんなのって …
『さ … とし … 』
俺が悶々と考えているうちに彼女は目を覚まして、まだ眠たそうなトロンとした目で俺を見つめる。
「た、ただいま」
急いで指輪ケースを気付かれないように元の場所に戻して、何事もなかったように答えた。
眠い目を擦ってスマホで時間を確認すると、Aは大きな声を出して叫んだ。
『ごめんっ！迎え行くって言ってたのに … っ』
「どうにかバスと徒歩で帰ってこれたから大丈夫」
落ち着かせるようにポンポンと頭を撫でてると彼女はソワソワしだす。
『あの … 結果の方は … ？』
財布から免許証を出して、無言で彼女の目の前に差し出した。
『やったじゃん！！』
ごく自然にAは抱き着いてきて、その勢いでバランスを崩した俺は彼女を受け止めたままその後ろに倒れ込んだ。
顔は目の前。
大好きな彩佳の顔。
だけど … 違う。
「俺さ … 変われた気がする … 」
『どういうこと … ？』
忘れることはない。
ただ、やっと気持ちに整理がついた。
Aの後頭部に手を添えて、有無を言わせず彼女の唇を奪った。
『さ、と … っ』
何も言わせない。
こんなの俺らの取引の範囲を超えてるのだってわかってる。
それでも、俺はAのことを好きになってしまったんだ。
唇が離れた時、彼女の口から洩れた一言。
『ずるい … 』
ずるくてもなんでもいい。
今度こそは好きな人を手放したくなかった。
俺の手で幸せにしてやりたかった。
「二番でいい … 一番になれなくていいから … 」
Aの隣に、�狠勠瓩箸靴撞錣気擦討�れ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜天(プロフ) - Mei宮さん» コメントありがとうございます。そうなんです、智くんなんです！これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 19時) (
レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
Mei宮(プロフ) - 続きがまさか智くんの物語で読めるなんて!! すごく嬉しいです！楽しみにしています♪ (2019年5月27日 18時) (レス) id: b1ed9ae736 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月26日 23時
