#３５ ページ35
.
助けてくれて、守ってくれて。
家に帰れば、みんなが笑顔で迎えてくれる生活。
『今まで … 本当の家族なんていなかったのに … 』
思えば思うほど、感情がこみ上げてきて。
頬に一筋の涙が伝う。
『私に期待させないでよ … っ』
期待していた私がバカだった。
あの生活に戻りたくないからって、赤の他人である5人にそれを期待して。
自分の心の隙間を埋めようとしていたことが間違ってる。
和也さんは身を引き、私の前に座り込むと机にあった空き缶を掴んでグシャッと潰す。
和「俺らのこと知ったら … Aちゃんがつらい思いするかもしれないんだよ … 」
雅｢ … それでも、知りたいの？｣
少し首を傾け、上目遣いで私の顔を覗きこんでくる雅紀さん。
潤｢そんな甘っちょろいもんじゃないからな … ｣
『 … 覚悟、できてます』
翔｢真実を知ったら、この関係がもっと崩れちゃうかもしれないよ｣
智「俺らが抱えてる問題は、Aちゃんが思ってるほど軽いもんじゃないからね」
智さんが立ち上がり、片耳で光るピアスに手をかける。
―――――――――――カチャッ
彼がピアスを外した瞬間、近くにいた潤さんと雅紀さんに即座に智さんの身体を抑え込む。
『な、何 … ？』
潤｢こういうことだよ、Aちゃんの知りたい秘め事ってのは … っ」
智さんの顔を覗き込むと息を荒くして、汗をかいていて。
それと同時に見えた真実は、�狹兄鉢瓩噺討个譴詒爐蕕�どうして脅威的な身体能力を備えているのかにも繋がること。
口元に光っていたのは鋭い牙。
瞳は燃えるような赤に染まっていた。
学校で助けられた時に見たあれは見間違いなんかじゃなかった。
あの時に感じた違和感は事実。
この一か月、何回も体験した恐怖が身体に沁み込んでいるのか、本能的に身体が智さんから距離を置こうと反応する。
智｢もう … 気ぃすんだ、か … ｣
理性を保つのに必死そうな彼に何度も頷き、雅紀さんが彼にピアスを付け直す。
するとさっきまでの興奮した智さんではなく、髪の隙間から見えた瞳はいつのも色に戻っていた。
翔｢ … これでわかったろ｣
みんなが今まで私に隠してきたこと。
やっと一つわかった。
『みんな、ヴァンパイア … 』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 313人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜天(プロフ) - あやかさん» ありがとうございます！�△發修譴覆蠅棒瀋蠅聾任泙辰討襪里如�近々続編出すかもです！ (2020年11月20日 19時) (
レス) id: 29584efb35 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - つかささん» ありがとうございます！これからもドキドキさせちゃうので覚悟しててください！！笑 (2020年11月20日 19時) (レス) id: 29584efb35 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 初めまして。Twitterの方でもフォローさせていただいてます。私は牢獄のお化け屋敷が好きなので、次回作は�△�いいなと思います。第二部も楽しみにしています。 (2020年11月20日 18時) (レス) id: 9ed625666a (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - すっごく面白いです！！！5人に守ってもらう展開にすごくドキドキできます！第二部も楽しみです！応援しています！ (2020年11月20日 16時) (レス) id: 9731f00be7 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます！ (2018年8月10日 7時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜天 | 作成日時：2018年8月9日 8時
