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涼「確かにAちゃんをここに連れてきたいとは思ってました … 」
リ「Aっていうのか、かわい子ちゃんに似合う可愛い名前♡」
涼「でも、今日来た理由はもっと違う理由で … っ」
リ「うるさいよ、涼太。黙ってないとつまみ出すよ」
全く涼太先輩の話を聞く気ないミサキさんは、人形を愛でるように私の頭を撫でたり、ほっぺたをツンツンつついたりして。
真剣な涼太先輩を横目にどうしたらいいのかわかんない私は、彼の手を握り返す。
大丈夫、頑張れって意味を込めて。
涼「話聞いてくださいよっ!!」
初めて声を荒らげた先輩の声にピクッと体を揺らした私にリサさんが優しい声で「ごめんね」と謝る。
リ「Aをビビらせてまで話すこと?」
涼「彼女にも関わる話なんです」
私にも関わること。
やっと、もう私たちのバンドの話をしに来たんだと理解できた。
先輩の力になりたくて自分から切り出す。
『リサさん、私たちバンド組んでるんです』
涼「彼女と、僕、龍友くんとあと男の子一人で」
リ「 … へぇ」
涼「それで、リサさんにどうしてもお願いしたいことがあってここに来ました」
涼太先輩がパッと手を離し、背筋を伸ばしてきちんとした姿勢でリサさんに向き合う。
涼「僕らのバンドの名前をつけてください」
『 … えっ』
彼の発言におもわず声が出てしまった。
リ「あら、Aはこのこと知らなかった感じ?」
『はい … 私、ついてきただけなので … 』
なんで、わざわざリサさんとの約束破ってまでここに来たのかやっとわかった。
けど … それってそこまですることなのかな。
大切な名前だからこそ、大切な人に付けてもらいたい。
その気持ちはわかるけど、リサさんは涼太先輩の大切な人というよりは数原先輩の大切な人。
リ「なんでアタシなの?」
その理由が知りたくて、私も涼太先輩を見つめる。
涼「それは … 」
それは … ?
涼「そんな深い理由とかはないんです。ただ、バンドの先輩であるリサさんに名付け親になってほしくて」
へ?
そんな、簡単な理由?
リ「あはははははっ、お前バカだろ。笑」
リサさんの高らかな笑い声がライブハウスに響き渡る。
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夜天(プロフ) - 美心さん» 亜嵐くんの誕生日ですか!?羨ましい(泣)移行先でもよろしくお願いします! (2018年11月10日 9時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
美心(プロフ) - 私は8月4日に参戦して来ました!更新頑張ってください! (2018年11月9日 22時) (レス) id: 3a297c68b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 佐野玲於の名無しのfanさん» ありがとうございます!まだまだ最後を迎えるのは先なので最後までどうかお付き合いください! (2018年10月16日 7時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
佐野玲於の名無しのfan(プロフ) - オチが気になる〜!!読み終わったとき心臓がキュンキュンします!続き頑張ってください! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 24c1463825 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - あゆんさん» ありがとうございます!これからもきゅうってさせちゃいます!! (2018年9月30日 6時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2018年9月10日 23時