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頭抱えて今にも地球が終わりますって顔してる数原先輩。
え、私もしかしてやばいことした … ?
片寄先輩に助けを求めようと顔を向けても知らんぷりされて。
『なんか私悪者みたいじゃないですか!!!』
涼「誰もスカウトすれば?とは言ってないもん」
『そんなの!! … そうですけど、あの状況で言われたらこうなるに決まってるじゃないですか!!』
龍「あぁもううるさい、喧嘩すな」
一応怒られてるのに、片寄先輩が楽しそうに微笑んでいてなんか不気味 …
私が最初にバンドやりたいって言った時、数原先輩は自分がドラムやってるなんて一言も言ってなかった。
それにその前からここに何度も通ってるのに、そんな話も叩いてる所を1度も見たことがない。
そんなに知られたくなかったこと?
だとしたら私、今すごく最低なことを …
『ごめんなさい、数原先輩 … 』
しょぼくれる私に気付いて、「しょうがないな」と呟き手を伸ばして頭をわしゃわしゃと撫でられた。
『ちょ、ちょっとぉっ』
龍「どーせこの腹黒王子に言われてここに来たんやろ?だったら悪いんは涼太」
涼「え、僕?僕はただ居るって言っただけだし」
物凄い顔で数原先輩が片寄先輩を睨みつけたら、犬みたいに尻尾を巻いて出ていってしまった片寄先輩。
そして一呼吸置いてから話を続けてくれる。
龍「悪ぃけど、バンドやるつもりはないんや」
「なんで?」って聞きたかったけど、それは言っちゃいけない。
だって … 先輩、すごく辛そうで …
『わかりました』
そうとしか言えなかった。
メンさんが休憩時間が終わると言いに来たので、そのまま2人でスタジオを出ると片寄先輩がカウンターの内側の椅子に座って待ってくれてた。
涼「スカウト失敗?」
龍「お前の企み敗れたり」
涼「あらら、つまんないの」
椅子に座ってクルクル回り出した片寄先輩。
この2人って、良く考えたらなんで仲良しなの?
正統派王子の片寄涼太先輩と、ちょっとヤンキー気質な数原龍友先輩。
似ても似つかない2人がここまで仲が良いとは思わなかった。
まだバイトが残ってる数原先輩と別れて、片寄先輩と2人で帰る途中。
涼「 … 僕ね、龍友しか友達居ないんだ」
誰もが認めるあの王子の口から信じられない言葉が飛び出した。
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夜天(プロフ) - 美心さん» 亜嵐くんの誕生日ですか!?羨ましい(泣)移行先でもよろしくお願いします! (2018年11月10日 9時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
美心(プロフ) - 私は8月4日に参戦して来ました!更新頑張ってください! (2018年11月9日 22時) (レス) id: 3a297c68b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 佐野玲於の名無しのfanさん» ありがとうございます!まだまだ最後を迎えるのは先なので最後までどうかお付き合いください! (2018年10月16日 7時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
佐野玲於の名無しのfan(プロフ) - オチが気になる〜!!読み終わったとき心臓がキュンキュンします!続き頑張ってください! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 24c1463825 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - あゆんさん» ありがとうございます!これからもきゅうってさせちゃいます!! (2018年9月30日 6時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2018年9月10日 23時