No.19 ページ21
俺はテープを切り、ガーゼごと軽く肌に押し付ける。
『細波さん。処置は終わりましたよ。
少し質問をしても?』
細波さんは驚いた。
細「あっ、もう終わったんですね。
すごい、とても綺麗………。
えっと、質問ですか?
答えられることなら何でも答えます。」
細波さんはスマホをバッグに直して、俺に向き直った。
『では、一つだけ。
コナンくんが持っているその紙、どこかで貰ったものですか?』
細「あっ、これですよね。
私もずっと不思議に思ってるんですけど、私が病院に入院した翌日に、ベッドのサイドテーブルの上にあったんです。
誰も面会には来なかったし、看護師さんも何も知らなくて…」
それは確かにおかしな話だ。
コ「本当に誰も来なかったの?」
細「うん。これ、何だろうね…
沖矢さん、私そろそろお暇しますね。
ずっといるのはご迷惑になってしまうので…」
細波さんはバッグを膝の上に置いた。
そこで、試しに俺は彼女の手を握って微笑んだ。
『おや、もう行ってしまうんですか…
私はこのまま、あなたとお話したいのですがね…』
細「うぅ…お気持ちは嬉しいんですが…」
細波さんは真っ赤になって俯く。
(とても初心で、可愛らしい…)
柄にもなくそう思う。
『すみません。からかいすぎましたね。』
俺はリビングの扉を開けながら笑いかけた。
細「今日はありがとうございました。
また今度、お礼をしに来ます…!」
細波さんはそう言って、家を出て行った。
(これは、調べがいがありそうだ…)
玄関で悩み込むボウヤを横目に、俺は変声機のスイッチを切った。
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mf12mfc(プロフ) - 続き楽しみにしています! (9月27日 0時) (レス) id: 77539e2974 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白かったです! (6月1日 1時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
ラビィ(プロフ) - ゆさん» まだまだ皆様の想像とは誤差が生じているかもしれませんので、これからなるべく原作のジンを目指して書いていこうと思います!頑張ります! (5月28日 22時) (レス) id: 339bc50a01 (このIDを非表示/違反報告)
ラビィ(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます!更新のペースを落とさないよう、努力します! (5月28日 22時) (レス) id: 339bc50a01 (このIDを非表示/違反報告)
ラビィ(プロフ) - ひめちゃまさん» ありがとうございます!より素敵な物語を書けるよう頑張ります! (5月28日 22時) (レス) id: 339bc50a01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラビィ | 作成日時:2023年5月7日 17時