第四十話 ページ41
ソッシ村の高い丘にはいくつもの墓石が並んでいる。
そこに少年が座り込み、近くには少女が心配そうに立っていた。
少年「…おじいちゃん………」
少女「…お家に戻ろう…？ニック」
ニックと呼ばれた少年は、この村の村長の孫だった。
その時、大きな足音が聞こえ、そちらに目をやるとアスタがすごい勢いでこちらに向かって走ってきていた。
少し離れてAもついてきている。
ｱｽﾀ「うおおおおお」
少女「きゃああ！？」
後ろにはノエルとアンチドリが付いてきており、アンチドリはアスタの頭をつついている。
ｱｽﾀ「オレの頭に何の恨みがあんだ、このクソ鳥ィィイ」
ﾉｴﾙ「ちょっと！私がこのコの相手をしてあげてもいいって言ってるでしょ！？」
『ホラ、二人とももうすぐ行くって聞いてますか？ 」
少女「魔法騎士団のお兄ちゃんとお姉ちゃん」
ｱｽﾀ・ﾉｴﾙ「「！」」
そこでようやく二人は墓石に気づいた。
ｱｽﾀ「村の人達から聞いた…オマエのじーちゃん。唯一アイツらに立ち向かったんだってな―――…カッケーじーちゃんだったな…！」
ﾆｯｸ「………今朝…おじいちゃんが嬉しそうに話してた……ギャンブルでだけど魔法騎士団の人に勝ったんだって…受験しなかったけど…魔法騎士団は…おじいちゃんの憧れだったんだ……」
アスタは目を見開く。
ﾆｯｸ「それと……いつも後悔してた…若い頃から…もっと頑張ってりゃあよかった―――…って…」
ニックは涙を服の袖で拭う。
ﾆｯｸ「…僕も…下民の僕でも…魔法騎士団に入れるかな………！？」
ニックは立ち上がり、アスタを強いまなざしで振り返る。
アスタは一瞬目を見開き固まったが、すぐに口角を上げた。
ｱｽﾀ「入れるさ！！下民で…しかも魔力が全く無いオレでも入れたんだからな！！ただ〜し、とんでもね〜努力はしなきゃダメだぜ！？オマエが魔法騎士団に入る頃には…オレはもっと努力して、もっと活躍してもっと魔法帝に近づいとくからよ…！！」
アスタは握りこぶしを作り、ニックの胸に当てる。
ｱｽﾀ「待ってるぜ坊主…！！」
ﾆｯｸ「…うん……！！」
『(やっぱりアスタさんを『黒の暴牛(ウチ)』に入れてよかった…)』
アンチドリは再びアスタの頭をつつき始めた。
ｱｽﾀ「あだだだだだだ何で！？」
ﾉｴﾙ「チビスタのくせに生意気な事言ってるからじゃない？」
ｱｽﾀ「誰がチビスタだだだだだだだ」
ﾆｯｸ「はははははは」
『ふふ』
ﾏｸﾞﾅ「！(今回ので、心を開いてくれたのか。よかったな。アスタ、ノエル)」
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こーひー(プロフ) - 失礼します！面白い作品で大好きです。あと少し気になったことが...暴力罪という物ですが、暴力罪という物は存在しないと思います....正しくは暴行罪では...?余計なお世話でしたらすみません... (2022年8月30日 17時) (
レス) id: da21190636 (このIDを非表示/違反報告)
しの - この作品好きかも、これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2021年11月29日 20時) (レス) @page15 id: 7c50de91a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜 | 作成日時：2021年11月22日 21時
