ハグルマ 〜 山茶花を君に 〜

９ ページ9

9




『遥輝も良か？』

「うん！大丈夫だよ！」



仕事が休みだったAが
空港まで迎えにきてくれていた。

図々しく乗せて下さいなんて遥輝からのお願いも
Aは笑顔で答える。



「お疲れさま〜」

遥「Aさんの声向こうで聞けたからめっちゃ頑張れた」

「なにそれ、ほんと遥くん相変わらずチャラいね」



運転席と助手席の間から身を乗り出しながら
ケラケラ笑う遥輝にちゃんと座れと肩を軽く叩く。



『飯は？どうすると？』

「作ってあるよ！」

遥「え、俺もいく」

『無理』

遥「なんでなん！」

「もー、いいじゃん、ね？」


おいで遥くん、なんて優しく言うもんだから。
俺は黙って外を見るしかなかった。


遥「卓さんほんま…」

『なんや』

遥「好きすぎやろ…」

『うるさい』

遥「やっぱAさん俺と結婚しやん？」




別に不倫でもええけど、
なんて言う遥輝にケラケラ笑うA。

いや目の前に旦那いるっての。




『あほなんか』

遥「あ、旦那おった」

「やめてよも〜」





まあ、Aが楽しそうやし、いっか。

なんて思う俺は相当Aに溺れてる。









、

１０→←８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す