ハグルマ 〜 山茶花を君に 〜

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「え！なにこのお花！」







Aと息子がうちに帰ってきた。

お祝いはまたAが元気になってからに
しようと決めていたが
少しでも、とお花を飾っておいた。






『知ってる？この花』

「見たことはあるような…ないような？」

『山茶花』

「サザンカ？」

『綺麗やろ』

「うん、綺麗…」






赤ちゃんを授かった時から
いつかこの花をプレゼントしたいと思っていた。




" 困難に打ち克つ "



山茶花の花言葉が
まさにAことのようで。






一輪ではあるが
綺麗なピンク色の山茶花はAにぴったりだった。







息子を抱きながら花を眺める彼女を見ると
どこからか湧き上がって来る責任感。


俺たち二人の間に
恋愛感情なんてこれっぽっちもなかったのに。



人生、どこで変わるかなんてわからない。



今を生きていただけの俺が
夫になり
父親になった。





野球選手という仕事だけではなく
生涯二人を幸せにする仕事を与えてくれた。








A、

ありがとう。









、

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