ハグルマ 〜 山茶花を君に 〜

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披露宴は派手にやりたいというAの要望を聞き
大きい式場にたくさんの人を呼んだ。


祝福される彼女はキラキラしてて
ついつい見とれてしまう。


監督やコーチなどお世話になった人と
一通り話終えると、
ニヤニヤしながら向かってくるいわゆる男前。



『なんや』

遥「まっじでかわいいっすね、」


耳元で小さく放たれた言葉。

こっちが恥ずかしくなるわ。


『お前に取られんで良かったわ』

遥「取る気なんてさらさらなかったすよー」

『嘘つけ』

遥「ほんまほんま」



だって、とその後に少し間があく。

遥輝はAの方をちらりと見る。
同僚の人たちと楽しそうに話しているのを確認して
再び視線を俺に戻した。



遥「…寝言で卓ちゃん、って言うてましたし」

『はっ？』

いやいやいや。
言ってた、の前に寝言ってどういうこと。



遥「あっ、一緒に寝てませんよ？！」


焦り倒して肩をがっちり掴んでくる。
ご飯行った時に飲み過ぎて酔って、
なんて申し訳なさそうに話す。




遥「だから俺の入る隙間なんてなかったんです！」

『わかったわかった』


必死に訴えてくる遥輝が可愛く見えて
笑ってしまう。





遥「なんか今日はめっちゃかっこよく見えますね」

『いつもの間違いやろ』




二人して笑ってると
話を終えたAが不思議そうに見てきて。


写真撮ろう、と遥輝の言葉で
また思い出が刻まれた。









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