検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:209,781 hit

ページ2

2



入籍をして二年目のオフシーズン、
やっとこの日がやって来た。

こんなにも緊張をすることは試合でもない。
心臓が出てきそうなくらい鳴り響く鼓動。
落ち着かせるために深呼吸を何度もする。

コンコン、と大きな扉を叩くと
どうぞと愛しい人の声。

もう一度深呼吸をして、扉を開いた。




純白のドレスに包まれた彼女は
今までに見たことがないくらい綺麗で。
息をするのも忘れてしまうほどだ。


恥ずかしくてつい、手で口を抑えてしまう。



「何かいってよー」


フワッと笑うAは、やっぱり綺麗で。
一歩、二歩、とゆっくり向かってくる。




『いや、…綺麗、すぎ』

「卓ちゃんも、かっこいいよ」

『まじで緊張してる、』

「汗すごいもん」



セットされた髪から少し汗が流れる。
それを見ていたスタッフさんからタオルを渡され。

また少し汗が出る。



『…見せたくねえわ』

「ん?」

『みんなに、』



卓ちゃんの独占欲出た、なんてからかわれる。
だけど今日だけは、許してほしい。

だって、綺麗すぎるから。




人生の中できっとこんなに幸せな日はないと思う。
だから今日だけは、素直になろうと思う。





『A、』

「ん?」


彼女の手を握り、見つめる。
優しく握り返してくれることにまた、
愛しさがこみ上げる。



『…式挙げると、遅うなってごめんな』

「ううん、ありがとう」

『これからもよろしくお願いします』

「ふふ、こちらこそお願いします」

『A、』



下にあった目線をAに合わせると
少し涙ぐんでる彼女が居て。

そんな彼女も相変わらず綺麗で。









『愛しとー、』









これからも
歯車はゆっくりと、動き続ける。







3→←1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (140 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
561人がお気に入り
設定タグ:プロ野球 , 日ハム , 中島卓也
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

はる(プロフ) - Riさん» ありがとうございます(;_;)更新遅くなりましたがまた読んでいただけると幸いです^ ^ (2018年4月30日 2時) (レス) id: 95c4c28400 (このIDを非表示/違反報告)
Ri - はじめまして!始めのシリーズから読みました。この作品大好きです。更新楽しみにしています! (2018年4月13日 0時) (レス) id: 8465ea94ee (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - みかさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(TT)なかなか更新できなくてすいません…。近々更新できるように作成中です! (2017年12月16日 6時) (レス) id: 95c4c28400 (このIDを非表示/違反報告)
みか - こんなかわいいお話たまらんです!!!!更新楽しみにしています! (2017年12月15日 22時) (レス) id: 6c748f5ff5 (このIDを非表示/違反報告)
実玖(プロフ) - はるさん» 続きが気になってもう一回はじめから読み返しちゃいました!ww 更新応援してます^^ (2017年10月14日 2時) (レス) id: fb928da0c0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はる | 作成日時:2017年9月29日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。