宇宙いち ４

１５３ 遥輝 ページ20

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西川遥輝 side







パタンとドアが閉まった音が聞こえ、
俺もその音の方に足を向ける。




「はるきっ…？」

遥「ちょっと待っとって？戻ってくるから。」



心配そうに見つめるAの頭を撫で、
慎吾を追いかけた。




部屋を出て少し歩くと
まだそこには慎吾の姿が見えた。

慎吾、と少し声を張ると
弱々しい背中がぴたりと止まる。






ごめん、A。
ちょっとだけ慎吾に乱暴するけど許してな。





遥「…お前ええ加減にせえよ、っ」






肩を掴んで振り向かせた勢いで胸ぐらを掴んだ。




遥「あいつが、野球辞めるって、どんな思いで決断したかわかってんのけ？」


慎「…わかってるっすよ遥輝さん…っ！！俺かて、」




どうしたらいいかわからへんねん

そう小さく呟く慎吾は今までにないくらい
弱ってる姿やった。




ああ、
こいつも一人でいろんなこと考えてんねやろな。






遥「…大将んとこいくか、」



こんな時に頼れるってなったら
やっぱり一番は大将なわけで。

男らしいというか、
これからどうしていくべきなんか
正しい答えを言ってくれそうな。





半ば強引に、今から部屋に行くと伝え
慎吾と向かった。









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