宇宙いち ４

１５２ 遥輝 ページ19

152



西川遥輝 side








Aの言葉ひとつひとつに重みがあって。
聞いてる俺が泣きそうになった。



慎吾は下を向いたままで、
俺からしたら正直腹立たしい。



Aは一通り話終えると、優しくお腹を触った。





遥「おい」

慎「…、はい」




返事をしろと催促したつもりで声をかけた。

なかなか口を開かない慎吾に痺れを切らした。



遥「お前さあ、わかってんの？」

慎「、はい」

遥「ほな何か言えや。お前の子供ちゃうんか。」





今はこんなに冷静に言葉を発せれるけど、
慎吾の立場やったら俺はどうしてたやろう。

確実に周りからのバッシングは凄いやろうし
球団からの信用もなくなる。



ただ、慎吾は公にせんこともできるわけで。



Aは、産むってなったらもちろん、
野球も辞めるやろうし
辞めるってなったら理由が必要になってくる。


Aは慎吾との子って隠すつもりで
このことを話してるんかな。




一人で、こんな大きい問題抱えれるんか。





慎「ごめん、ちょっとだけ頭冷やしたい、」

「….ん、」


また連絡する、と立ち上がった時。
Aが口を開いた。



「しんごっ、…慎吾は、慎吾には、野球頑張って欲しい」









なあ、

なんでお前はそんな一人で頑張ろうとすんの。









、

１５３ 遥輝→←１５１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す