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袖をめくると、白い湿布を貼った腕が現れた。……やっぱり。


「ジャッカルくん、これ……」

「あー……結構前に怪我したんだ。大したことないから気にすんな」

彼が私を助けてくれたのはつい数日前のこと。"結構前"と表すには近すぎる日数。私には分かる。

「嘘」

以前、丸井くんが話していたことを思い出した。ダブルスのパートナーだからこそ、近い距離にいる彼だからこそ分かること。

__ジャッカルは嘘つけねーよぃ。アイツ、嘘つく時 頭かく癖あるし、目線もすーぐ逸らすからな。分かりやすいだろぃ?


笑ってそう言う丸井くんは、とても楽しそうだった。友達に「俺の相棒は正直者で良いやつ」と自慢げに話すその声はどこか弾んでいたのを覚えている。


「私を助けたからだよね……?
ごめんね、ジャッカルくん。
大事な大会前なのに……」

「……大会には間に合わせる、お前が気にすることねぇよ」

でも……と言葉を発しようとすると、「何してんだ?」という声に遮られる。
私はまだジャッカルくんの腕を掴んだままで。ああ、これは誤解されるやつだと思ったのとは裏腹に、彼は顔色すら変えずジャッカルくんに体を向けている。


「休憩入ったから呼びに来たぜぃ!」

「あ、ああ……ありがとな」


気まずいなと丸井くんを視界に入れないようにジャッカルくんに視線をやると、バチッと目が合った。
困ったような視線に私は申し訳なく感じる。


「……とりあえず、怪我の事はいい。お前も自分の試合があるだろ?」

「うん……でもできる限りの事はしたい。私だけ良い思いをするなんて嫌だし」

「分かった。じゃあ何かあった時は頼むな。じゃ、気をつけて」


この空間から早く立ち去りたい、と手を軽く振って背を向け校門へと駆け出す。
丸井くんは私をどんな顔で、どんな気持ちで見ていたんだろう。
まるで私なんて居なかったかのように扱われた気がする……

ジャッカルくんにも迷惑かけてばかりだし……なんで最近、こんなに上手くいかないんだろう。


「丸井くんが、分からない……」



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桃花(プロフ) - 続きが気になる… (2022年11月17日 19時) (レス) @page15 id: 45cbc35a1c (このIDを非表示/違反報告)
菜乃花(プロフ) - におーさん» ありがとうございます!ゆっくりすぎる更新ですがお楽しみください(≧∇≦) (2020年8月9日 18時) (レス) id: daee79e034 (このIDを非表示/違反報告)
におー - ブンちゃん最高!更新楽しみに待ってます(((o(*゚▽゚*)o))) (2020年8月9日 11時) (レス) id: ee24a57219 (このIDを非表示/違反報告)
菜乃花(プロフ) - はるさん» ありがとうございます、励みになります(>_<) (2020年1月13日 10時) (レス) id: daee79e034 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 続き気になります…! (2020年1月13日 9時) (レス) id: 2a82e997d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なのか | 作成日時:2019年12月16日 14時

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