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「大将！起きろ！」
その声はとても焦っていて、私はすぐに目を覚ました。
＿＿危機感を感じたから。
「思ったより早く来たみたいだ」
そういった薬研の表情は、少し疲れが見える。
遅くまで 作戦を練ってくれてたから、あまり眠れていないのかも。
「敵は今＿＿」
冷静に状況を話してくれる薬研の声を聞きながら、私は小袖から防御力の高い服へと着替える。
下着姿を見ないように、顔を逸らして話を続けてくれる優しさに、深い感謝をした。……いつも、私の考えてる事はみんなに筒抜けだなぁ。
「大将はとにかく自分の身を守ることを考えろよ。危ないと思ったらすぐ大声で叫ぶこと。いいな？」
「分かった。足は引っ張らないようにする！」
こくり、とお互いを見合って頷くと、駆け出した薬研の後を必死についていく。早くみんながいる所に行って、微力だけど力になりたい。
私は怪我をした子の手当 くらいしか 出来ない。
でも、何もしないより全然いい。
「おっ！やっとお出ましか、主」
「主役は遅く登場するって言うじゃない？」
「ハハッ、こりゃあ驚いた。勝つ気満々だな？」
「当たり前でしょ。私の大好きなみんなが負けるわけないんだから！」
恥ずかしいような、照れくさいような。そんなセリフを言ってみせると、周りで聞いていた皆は 微笑んでくれた。
……いつの間にか、私にとってここはすっかり居心地が良くて、本当の家族みたいに感じる時がある。
だからこそ、重傷者無くしてこの戦いに勝利したい。
「さ、行くよ！！！」
ザッ、と足並みを揃えて一歩踏み出す。
ピリピリとした緊張感の中、1つの声が私の耳へと飛び込んできた。
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作者名：なのか | 作成日時：2019年10月6日 18時
