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「わかな〜！明日の対戦相手なんだけど……」
あの一件が終わり、わかなが本丸に戻ってきた。
まだ ぎこちなさは残るものの、
皆喜んでいるのが手に取るように分かる。
だって……互いを見つめる目が、とても優しいものだから。
演練相手の確認をし終わると、わかなと2人で お茶を1口飲む。
本丸に審神者が2人。仕事は半分こして、家事も分担。
私は早く 前の本丸に戻る準備をしなくちゃなんだけど、
こういう生活も良いなぁと思い出したこの頃。
「ふぅ……」
ふと出たため息に、わかなは気を使ったのか、
飴を差し出してくれた。
「ありがとう、本丸を守ってくれて」
「……私こそありがとう、戻ってきてくれて。
皆も喜んでるし、笑顔が増えて嬉しいよ」
私がそう言うと、わかなは言いづらそうに、もごもごと口を動かしている。
「あ、のさ……Aの元本丸の子達と、
ここの本丸で一緒に住まない？」
「え……？」
思いがけない言葉に、私は少しの間固まってしまう。
今の子達と離れることも無く、前の本丸の子達と一緒に居ることの出来るこの提案……
私としては、とても嬉しいのに。
前の本丸の子達は、どう思うんだろう。でも、向こうは今 審神者がいない状態なんだよね……。
「……ゆっくりで良いから、考えてみて」
「うん、分かった」
そう返事すると、わかなが出ていき部屋に1人。
という訳にもいかず……
「わっ！……あっはははは！驚いたか？」
「いつものこと過ぎて慣れちゃうよ」
「そうか、それは残念だな」
鶴丸が居るのはもう当たり前のようになっているから、なんとも思わないけど。
何でいるのか、そんな事 聞かなくても何となく分かってしまう。
「このこと……大事なことだから、直接話したくて」
「お供すればいいんだろう？ お安い御用だぜ」
「ありがとう」
ほら、もう鶴丸にはお手上げ。
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作者名：なのか | 作成日時：2019年10月6日 18時
