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「ごめん、ごめんね」
そう言って国広に抱きつくと、だんだん周りの黒が引いていき、元の本丸たちが姿を現した。
「A……？なんで、生きて……」
「……もう、勝手に殺さないでよ」
「あるじさま！」「主様！」
感動のシーン、と行きたいのに、鋭い視線が刺さるのがわかる。
私は後ろを振り返り 言葉を放つ。
「私、あなたならいいや、って妥協して、本丸を譲りました。
……正直、みんなの作戦が正しいことなのか、私にはよく分かりません。というか、分かりたくない」
主を殺すなんて。
人間に例えれば、親を殺すみたいなもの。
そんなの、悲しいよ。
「これから先、もし改心できないと言うなら……私たちの前から姿を消してください。もう一生、現れないで。
……もし本当に貴方が審神者になりたいのなら、今度は自分で1から築いて、ちゃんと皆を愛してあげてください」
視線が一気に 彼女へと集まる。
俯き黙り込む様を見ると、なんとも言えない気持ちになる。
可哀想だとも、当然だとも。
ごくりと固唾を飲むと、彼女はゆっくり口を開いた。
「……も、もう うんざりよ！こんな本丸！！出ていってやるわ！」
恥をかいたと言わんばかりに、顔を真っ赤にして 駆け足で外へと続く門へ向かっていく彼女の後ろ姿を見ながら
私は へなへなとその場に倒れ込んだ。
「主！」
「……疲れたぁ〜。あ！みんなこの辺り掃除して帰ってよね？私はもう寝るよ、おやすみ。解散〜！！」
いきなりこんな戦いに巻き込まれて、庭を壊され花も踏み潰され……
いろいろと疲れた体を休めようと、審神者部屋に戻ると すぐ 畳の上へと倒れ込む。
＿＿一段落、って思っていいのかな。
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作者名：なのか | 作成日時：2019年10月6日 18時
