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「と、言うわけで！今度 わかなが帰ってきま〜す！」
私が大広間でそう言うと、わぁ！とすぐに歓声があがる。
「何が "と、言うわけで！"か分かりませんが……本当ですか、主！」
「本当！ 暖かく迎えてあげてね」
この本丸でわかなの事を知らないのは左文字兄弟と新しく顕現された刀だけ。
本丸、わかなが帰ってくるまでにもう少し綺麗にしておかないとな。
実を言うと、掃除できていない部屋が幾つかある。大倶利伽羅の部屋とか、来派の部屋とか。
「主、詳しい日程は決まってるのかい？」
「今日の夜に話し合うよ」
「そっか。あのさ、わかなちゃんが帰ってくる時のご飯、はんばあぐで良いかな？」
みっちゃんは少し言いずらそうに聞いてくる。
ここの皆はハンバーグ好きなのかな。
そういえば、私が来た時もハンバーグだったなぁ。……懐かしい。
「うん！いいよ」
私は快く了承し、審神者部屋へと戻る。
今頃 大広間では思い出話でも始まってるのかも。
「……主、大丈夫か？」
「なにが？ 私は大丈夫だよ」
目は合わせず、壁にもたれかかって立っているであろう鶴丸と話す。
「……鶴丸、私が薬研と話してたの聞いてた？」
「ああ。少し気になってな」
「ごめんね、変な態度とって。でも、もう大丈夫だから」
「そうか＿＿なら良かった」
鶴丸の口調がだんだんと優しくなる。
私はこの本丸でも古参の、鶴丸に聞いてみることにした。
「少し気になってたんだけど……ここの本丸ってさ、ハンバーグに何か思い入れでもあるの？」
「そうだな……わかなに関係している」
「その話、私が聞いてもいい？」
鶴丸は瞼を閉じ、薄ら笑いを浮かべて話し始める。
「ハンバーグは俺たちにとって、大事な日に食べる特別なメニューだった＿＿ただ、それだけだ」
「え、それだけ？」
「……1つつけ加えるとすれば、わかなと主の作ったハンバーグの味が似ている、って事だな」
高校で、私とわかなは料理部だった。
だからかな？ 味が似ているのは。
違うのはソースの味だけで、他はほぼ一緒。
……じゃあ皆、私が初めて来た時にハンバーグ食べて、何か思ってくれたりしたのかな。
「なるほどね。ありがとう、鶴丸」
「礼はいいぜ」
皆のことをひとつ知れた所で、お昼ご飯後の眠気に誘われる。
少し横になり目をつぶると、すぐに眠りについた。
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作者名：なのか | 作成日時：2019年10月6日 18時
