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「これ着て、しっかりフード被って、座って待ってろ。」
男は突然服を脱ぎ出したかと思えば、脱いだばかりのそれをミヒャエルに被せてそう言った。
布越しに頭を掴んでミヒャエルをくらりと
あまりに突然すぎる出来事に、何が何だか分からぬまま、遠ざかっていく白い背中を見つめることしかできなかった。
自分の服を着せて行ったのは、言うことを聞かずにこの場を立ち去った際に見つけやすくするためだろうか。
少し頭が回るようになってから、ミヒャエルは男のよく分からない行動について、そう考えた。
こんなもの、ミヒャエルが脱ごうと思えば脱ぎ捨てられるのに。
それでもミヒャエルが逃げなかったのは、どうせろくなことにならないと分かっていたからだった。
後に見つかってより酷い目に遭うのなら、大人しく、先に済ませてしまった方が何倍もいい。
丈の有り余る真っ赤な袖元をぼんやりと眺めながら、ミヒャエルはため息をついた。
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作者名:susu” | 作成日時:2023年8月18日 22時