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「一人暮らし、してみたら?」

「あーうん、そうだね」

「お母さんたちのお手伝いしてくれるのはありがたいけど、てっちゃんの人生なんだから。てっちゃんがやりたいことも、やっていいのよ。」

「ちゃんと働いた分の金は払ってやるから、好きなようにやってみなさい。」


 ──なんて両親に背中を押されて4ヶ月。
物件探しやら何やらと準備に手間取りつつ、俺が一人暮らしを初めてから3ヶ月が経とうとしていた。




 俺の高校卒業を目処に、わが家は日本からドイツへと住居を移した。
理由はまぁ、ちょっとした私事と、両親のノリと勢いだ。

 家業、と呼ぶには難しい職種に就く両親だったが、それでも俺の誇りであることは変わりなかった訳で。
そして同時に、両親の手伝いをして生活していこうと考えていた。

 そんな矢先に、冒頭の会話である。
とりあえずこちらでの生活に慣れるまでは新居(ここ)にいて、一人暮らしなんてのはその後に考えようと思っていた俺の理想は、
移住から数日後、両親の気遣いというありがた迷惑によって早々に打ち砕かれたのだった。


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作者名:susu” | 作成日時:2023年8月18日 22時

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