愛のない結婚ほど、悲しいもんはないだろ。【青監獄】

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「新田さん、前、前。」


　思わずといった様子で後部座席(こちら)へ振り向いた新田さんの視線を前へと修正しつつ、先程の招集での内容について大まかに説明する。


　あとは高専の了承を得るだけだと言えば、そのための雇用契約かと納得した様子だった。


　それにしても叔父の行動は素晴らしいなと感嘆する彼女に、苦笑が漏れる。この界隈での素晴らしい(褒め言葉)は、イカれてる(悪い意味)に直結することが多いので。

　もちろん俺や新田さんを含めた当事者達は皆感覚がバグっているので、素直に褒めているだけなのだが。


「サッカーの代表かなんかっスよね？」

「そうですね。俺、中学までしかやってなかったんですけど、プロジェクトの関係者に身内が居たみたいで。」

「ほーん……でも、多少身内贔屓あったとしても、代表に選ばれるなんて相当でしょ？」

「どうなんですかね。まぁ、戦闘面(フィジカル)で負ける気はしませんけど。」

「実戦闘と試合同じ括りしちゃダメでしょう、」

「はは、冗談です。」

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