2 ページ2
こうして呼び出されるのは初めてでは無いので、毎度慌てて飛び出して来る俺にいい加減嘘だと割り切ってしまえばいいのだと叔父が言う。
お決まりの嘘だろうと考えて外に出た時に限って本当であることが無いとも限らないのだ。油断禁物である。
だからこそ、もう少し捻った要件の伝え方をしてくれと頼んでいるのだ。呼び出しの度に肝を冷やされる俺の身にもなって欲しい。
当の本人は聞く気が無いらしく、俺が何度言っても治らない。挙句の果てには「知るか」の一言でそれまでの会話を終わらせてしまうのだから、困ったものだった。
「大分鈍ったな。」
「そりゃね、しばらくぶりでしたもん。」
「身体能力は上がってくばかりだろ。」
「まぁそうね、伊達に鍛えてないから。」
互いに簡単に会えるような場に身を置いていないため、
同級生にサッカーに興味がある人物は居らず、──というかサッカーができるような環境が整っているとは言い難い──長い得物を使うクラスメイト達の影響で最近は剣道(的な何か)ブームが学年内で到来していると言えば、興味の無さそうな相槌が返ってきた。
62人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:susu” | 作成日時:2023年4月15日 14時