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鼻歌なんか歌ってトリートメントする増田さん。
「……増田さんって他のお客さんにも可愛いって言うんですか?」
増「は?急にどうした(笑)」
「いえ、いつも増田さんに褒められると嬉しくなるから、皆さんもそうなのかなあって」
増田さんは仕上げをしながら「さ、どうでしょうか?」と意味深に笑った。
…………はぐらかされちゃった。
「遅くにありがとうございました」
増「いーえ、こちらこそいつもありがとう」
店の戸締りをしながら一緒にでた。
増「暗くなってるし、送るよ」
「いえ、近くなので大丈夫ですよ」
増「俺も近所なの、送らせて?」
半ば強引に一緒に帰ることになった私の心臓もつかしら…
増田さんは忘れ物したって走っていった背中を見届けて、心を落ち着かせる。
「あれ、A?」
「あ……」
…会いたくなかった元彼。ここでイメチェンしてもらってからまたヨリを戻そうって連絡がしつこく来てた。
あっちの浮気が原因で別れたから戻る気なんてさらさらないけど。まさか私の家まで来ようとしてたなんて。
「連絡してたんだから出ろよ」
「べ…別に関係ないでしょ」
「なぁ、Aもまだ相手いないんだろ?可愛くなってさ、俺らカラダの相性もよかったし?」
無理矢理私の腰をぐいっと自分の所に引き寄せる。
「…………っやめてよ…」
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作者名:MasMi. | 作成日時:2020年1月16日 21時