三十三話【できること】 ページ7
あの後、雨が止んで暫くすると、
姉さん達が帰ってきた。
どうやら、近くの岩陰で休んでたらしい。
びしょ濡れの二人に布を渡し、
ある程度身体を拭かせた後、作った温かい鍋を、みんなで食べた。
翌日。
家の裏手で朝早く剣の素振りをしていた私は、
ガラガラという荷台の音に気がつき、
そちらを覗いた。
ルイ「....ユン？」
ユンは、荷台に野菜など食料を入れると、
それを運びだそうとした。
それとほぼ同時に、
イクスが出てきて、ユンに話しかける。
イクス「ユン君。加淡村に行くの？
僕もついてっちゃダメ？」
加淡村...確か、火の部族の端っこにある村だ。
もしかして、ユンは食品を差し入れに行くのだろうか。
イクスの言葉に、ユンは首を横に振る。
ユン「ダメだよ。イクスはここにいて。
所詮こんなの、自己満足の偽善だから」
イクス「...違うよ。
違う。ユン君は、優しい子だよ」
そう言って、ユンを抱きしめた。
ユンは、うれしいのに素直になれないのか、
むず痒いような顔をした。
...正直あの量の荷台は結構重いし、
ユンは戦えないので、一人で行かせるのには不安があった。
手伝ってあげようかとおもうが、悩む。
いや、なんせ私は目立つのだ。
火の土地なんて敵部族のど真ん中に行くのはやめといた方がいいかもしれない。
そんなことを考えていると、後ろからガシッと肩を掴まれる。見れば、そこには他の六人がそろいも揃って整列していた。
ルイ「...ね、姉さんおはよう。
てか待って。ちょっと、まさか...」
ヨナ「気になるじゃない。
尾行しましょ」
ルイ「まじかぁ...」
城にいた頃は私が問題児だったが今や立場が逆転。それどころか問題児六名＋一匹である。
火の土地に行くということに内心冷や汗をかきながら、私達はユンの後を着けるのだった。
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サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2021年4月6日 20時) (
レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
おうづき . 腐人間 . - ノルアンさん、紗奈さん、コメントありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2020年4月29日 13時) (レス) id: ca4c69e2da (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 面白いです！最新楽しみにしてます！！ (2020年4月27日 16時) (レス) id: 0bf5c2ae4b (このIDを非表示/違反報告)
ノルアン - 面白いです！続きが気になる〜 頑張ってください！ (2020年2月21日 23時) (レス) id: 464b69dd91 (このIDを非表示/違反報告)
裏月 - 暖かいコメントありがとうございます！！更新は不定期ですが、この先も頑張っていきます！！ (2020年2月10日 17時) (レス) id: ca4c69e2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おうづき . 腐人間 . | 作成日時：2020年1月26日 17時
